MMT(現代貨幣理論)で解ける財政問題: 目からウロコの解決策 / シェイブテイル


 国の財政を家計簿と対比することはオカシイ。そんな疑いを、しないようみんな洗脳されています。笑

 ニュースやメディアで騒がれる、日本の財政問題。人口減少や少子高齢化が問題であり、それを解決できなければ、日本の将来はない。そんな報道はうんざりするほど存在する。

 MMT(現代貨幣理論)で考えれば、違った観点が見えてくる。そもそも、国家の財政を、家計簿的な考えで国民に訴えている状況はどうなのか。

 国家の財政を、家庭の金銭事情と比べ、対比することは正しいのか。そもそも、国家の支出は現金が存在しない金銭のやり取りで成り立っています。

 本書では、少し大袈裟な表現だとは思いましたが、財政の支出は「財務省にあるパソコンのキーボード」だけで実行できるという。

 そもそも銀行からお金を借りる時、銀行が持っているお金を貸している印象はあるが、実際はそうではない。

 お金を返してくれる前提で、借りた人の通帳に金額を記載するだけであり、それを「信用創造」という。お金を貸すというアクションを利用した、半分詐欺のようなものであるが、そんなお金の流れで社会が成り立っているという事実がある。

 国債を何兆円も発行したと大騒ぎしているが、現金をやりとりしているわけではない。あなたの通帳に、記帳すればそれが民間に流れて行き、政府の借金は増えたように見えるが、民間の資産は増大する。

 MMTに関する本は、これまで何冊か読みましたが、本書は非常にわかりやすく、今まで自分の知っていた知識に加えることにより、とても参考になりました。

 今までも、何回か書きましたが、「国民1人当たり○○万円の借金」と危機意識を促す報道は多いが、国にお金を貸すというアクションをした人は誰もいない。

 国債をどんなに発行しようが、買ってくれる金融機関が存在する。それはなぜ買うのか。それは「買い戻してくれる日銀が存在する」から。

 そんな仕組みを、私はたくさん本を読んでいるので知っていますが、皆さんにもそんな仕組みを考えてほしい。そして「MMT:現代貨幣理論」は、家計簿とは別物であり、そんなものと対比することは、おかしいという。そんな皆さんに「問題提起」したくなる、そんな本書でありました。

This is the 21th book in January and the 21th in 2024.