バカと無知 / 橘玲


 人間は徹底的に社会的な生き物であり、その中で淘汰されず生き残るために、遺伝的に組み込まれた「本性」がある。バカは自己評価が高く、バカは自分がバカだと気付けないが、能力の高い者は自己評価が低い傾向にあるという。

 「ハリネズミ」と「能ある鷹」のように、それぞれの生き残るための戦略として脳に埋め込まれており、両者が話し合いをするとバカの意見に引きずられがちになる。笑

 脳は、自分より優れた者を「損失」劣った者を「報酬」とみなすということが書かれていた。優れたものから見れば劣ったものが「報酬」なのであれば、バカに引きずられるというのは妙に腑に落ちるような印象です。笑

 人は集団の中で生き延びるため「自分についての噂を気にしつつ、他人についての噂を流す」という、自身はノーダメージでライバルにダメージを与える術をみにつけた。上司や先輩など強者からのアドバイスなら自尊心が傷付くことはないが、同い年など、両者の力関係が接近してくると、アドバイスをマウントではないかと受け取りストレスに変換する。

 バカな人ほど、自分をバカだとはこれっぽっちも思っていない。バカは自分を過大評価する。「平均と比べてどうですか?」と聞かれると「人並み以上だ」と、はっきり言わなくてもそう思っている。

 自分はバカなのか? 笑 とりあえず、酒を飲んだ時はバカになりたい。笑

 とりあえず本をたくさん読むようになってから、ソクラテスの唱える「無知の知」をとても意識できるようになった。「知らないことを知っている」そして「知れば知るほど、知らないことが多いことを知れる」のは日々痛感しています。

 本を読まない人は、もちろん、本書は読まないとは思いますが、「バカほど自分をこれっぽっちもバカだと思っていない」ように、「本を読まない人ほど、本を読むことの重要性がわからない」のだろうと、そんな事を考えさせてくれる本書でありました。笑 

 自分は「バカ」だと認識しているつもりなので、これからもたくさん本を読んだり、たくさんの人から学ぶ姿勢を持って、日々精進しようと思います。しかし、酒はやめられません。笑

This is the 07th book in March and the 52th in 2024.