「日本型格差社会」からの脱却 / 岩田規久男


 1990年代以降、日本では格差が広がり続けているという。非正規社員の増加は賃金格差を招き、その子供世代の格差にも影響し始めている。

 受給額が下がる一方の年金制度は、世代だけのみならずそれを引き継ぐ、子供や孫の世代へも波状していく。

 こうした格差のすべては、戦後、世界で日本しか経験していない長期デフレが根本にあるという。他国とは異なるどころか、世界で誰も経験したことのない「日本型格差」

 本書をよんで一番痛感したことは「デフレ」がいかに経済に悪いことなのか。物価が上がらないから「デフレ」はいい。そんなセリフが如何に安直で愚かな言葉なのか。そんなことをとても理解することが出来ました。

 失われた20年の始まりは、消費増税をした97年ではないかと、様々な本に書かれています。現在は2024年ですから、27年前の話です。97年の27年前は、1970年です。私が生まれた2年後。

 ヤフー知恵袋に素晴らしい質問がありました。Q:今から50年前、1970年当時の50万円は、今の価値では何万円位に相当しますか?ご回答宜しくお願い致します。

ベストアンサーに選ばれた回答は次のとおりです。

カップ入りのアイス 20円
ロッテのペンギンガム 20円
紙コップのジュース 10円
コカコーラ 35円(ビンは返却)
ラムネ 30円(〃)
ノート 30円
チロルチョコ 5円
さいころキャラメル 10円
スーパの乗り物 10円
ピンボールなどのゲーム 20円
一戸建ての家 数百万円(中古なら200万程度、地方による)
トヨタカローラ 50万円くらい
2段ベット(フランスベット)2万円
国立大学学費 数千円
ランドセル 5千円くらい

 どれもだいたい5倍くらいでしょうか。1970年代から90年代後半の27年は物価が5倍になり、90年代後半から2020年代の27年は物価据え置き。前者は日本が高度経済成長期だとしても、あまりにもヒドイと思うのは私だけではないでしょう。日本だけ成長しないから、国民一人あたりのGDPも上がるわけがない。

 本の帯にこんなことが書いてあります。『日本は信じられないくらい「貧しい国」になってしまった』外国人がたくさん来て、インバウンドだとか喜ぶ前に、私達がたくさん旅行できたり、観光に頻繁に出かける。そのおこぼれを、外国人に分けてやる。そんな日本でなければ駄目でないですか?

 岸田総理と飲む機会があったら、私は酒の勢いでそう提案しようと思います。笑

This is the 09th book in February and the 34th in 2024.