水曜日の手紙 / 森沢明夫


水曜日の出来事を綴った手紙を送ると、
見知らぬ誰かの手紙が届く、
「水曜日郵便局」

絵本作家になる夢を諦め、
日常に追われていた主人公は、
自分の思いを綴り、手紙を出す。

返ってきた誰かの手紙に励まされて、
新しい行動をする勇気をもらう。
生きていれば、必ず喜びもあれば、
悲しみもあり、他人に抱く妬みのように、
自分の心にしまっておきたいような、
ものまである。

知らない誰かに書くからこそ、
見栄や世間体を気にしない、
正直な自分を綴ることができる。

自己犠牲を正当化し、
夢を諦めることは、
果たして正しいことなのだろうか。

そんな姿勢や行動を、
家族はどのように捉えているのか。

知らない誰かに背中を押してもらえば、
違う明日が始まるのかもしれない。
自分に嘘をつかず、
よかれと思うことはどんどんやる。
他人を喜ばすことができれば、
それは自分にとっても嬉しいこと。

とても素敵な小説で、ございました。笑

07 th in September / 250 th in 2023