今週末に中園ミホさんの講演会に行くことにしたので「ぐーたら女の成功術 / 中園ミホ」というやつを読んだのですが、けっこう林真理子さんとの交流話が紹介されていたので、林真理子さんの、なにか読んでいないものが無いかと物色して見つけた本書。「不機嫌な果実」に続き2冊目です。
なんだかんだで、林真理子さん結構アウトプットしています。「ルンルンを買っておうちに帰ろう」「小説8050」「過剰な二人(見城徹さんとの共著)」「最終便に間に合えば」「奇跡」「最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室」「最高のオバハン 中島ハルコはまだ懲りてない!」「美食倶楽部」そして先日読んだ「不機嫌な果実」。本書で10冊目のアウトプットになります。
本書は1992年の長編小説で、短大時代の同級生である二人の女性、絵美子と圭の34歳頃の姿を中心に描いた作品です。
物語は二人の視点が交互に切り替わりながら進み、互いに「持っていないもの」を強く羨み、満たされない思いを抱える女性の心理をリアルにえぐり出しています。
絵美子は学生時代に好きだった男性と結婚し、二人の子供をもうけた専業主婦。表面的には幸せな家庭を手に入れたはずでしたが、夫の変化や子育ての忙しさ、失われた自分の時間や自由に徐々に不満を募らせ、ついに離婚を決意。
一方、圭はイラストレーターとして苦労の末に人気を博し、キャリアを築いた独身女性。仕事一筋で結婚はせず、若い彼氏との関係を楽しむ自立した生活を送っていますが、お金や男に不自由しないはずなのに、どこか満たされない空虚感を抱えています。
二人は長らく疎遠になっていましたが、絵美子の離婚危機をきっかけに再び接近。絵美子は圭の自由で華やかなキャリアウーマン生活を強く羨み、「私もあんな風に生きられたら」と憧れを抱きます。
それに対し、圭は絵美子の「甘えた」家庭生活や、夫や子供に守られながら不満を言う姿に苛立ちと嫉妬を覚えます。互いに「ないものねだり」をしながら友情を保ち、支え合う場面もある一方で、対立や苛立ちを募らせていきます。
最後は、絵美子が離婚を進め新たな恋や自由を手に入れようとする一方で、圭はキャリアの充実とは裏腹に恋愛や将来への脆さを見せます。そして最終的に、絵美子は圭の恋人を奪うような展開となり、圭の苛立ちをさらに強めます。
どちらの女性も「満ち足りない」状態のまま、人生の選択と現実のギャップに直面したところで物語は終わります。
この作品は「働く女」と「人妻」の対比を通じて、女性の幸せとは何か、人生の選択に正解はあるのかを問いかけて来ます。嫉妬、優越感、劣等感、自己中心性といった生々しい女性のそんな感情が、とてもよく理解出来るような、そんな作品でございました。
6月17冊目_2026年98冊目