オーディション/ 村上龍

 なんか最近、村上龍さんの率が高めです。村上龍さんの本は、「限りなく透明に近いブルー」「69 sixty nine」「コインロッカー・ベイビーズ」「テニスボーイの憂鬱」「ユーチューバー」「インザ・ミソスープ」「55歳からのハローライフ」「新13歳のハローワーク」「昭和歌謡全集」に続き、本書は10冊目のアウトプットです。

 映像制作会社を経営する42歳の青山重治は、7年前に妻を病で亡くして以来、高校生の息子・重彦と二人で穏やかだがどこか空虚な日々を送っていた。ある日、息子から「再婚したら?」と促されたことをきっかけに、再婚を真剣に考えるようになる。 

 友人で仕事仲間のプロデューサー・吉川に相談した青山は、吉川の提案で架空の映画のヒロインオーディションを開催し、そこで理想の再婚相手を探すという不誠実な計画を実行。約4000通の応募の中から、青山の目を強く引いたのは24歳の山崎麻美。クラシックバレエを12年間続けていたが怪我で断念したという儚げで物静か、知的な彼女のプロフィールと面接での印象に、青山は急速に魅了されていく。 

 吉川は「出来すぎている」と麻美に不信感を抱き警告するが、青山は恋に夢中になり耳を貸さない。デートを重ねるうち、二人は親密になり、伊豆旅行などで身体の関係も持つ。しかし麻美は旅行先で自分の太腿の火傷の痕を見せ、「私だけを愛して」と絶対的な独占欲を露わにします。彼女の過去には謎が多く、青山が調べ始めると、語っていた経歴の多くが嘘であることが明らかになります。

 麻美の過去には、虐待や暴力的な出来事が絡み、彼女と関わった人々が行方不明や凄惨な事件に巻き込まれていた。継父は両足を失っており、それが後の展開を暗示。麻美は忽然と姿を消し、青山は不安に駆られながらも彼女を追い続けます。 

 クライマックスでは、麻美が青山の自宅に訪れ、飲食物に睡眠薬を盛って彼を麻痺させます。意識はありながら身動きできない青山に対し、麻美は「キリキリキリ…」という不気味な声とともに長い針で体中を刺し、左足をピアノ線で切断するという残虐な拷問を始めます。

 この拷問のシーンが、まさに村上龍でございました。青山が麻美を蹴飛ばすんですが、その描写がグロテクス過ぎて、読むのをやめようかと思うくらいでしたが、これが村上龍という感じでございました。

 レビューで、「インザ・ミソスープのフランクを美女にした感じ」と書いている人がいましたが、確かにどちらもグロテクスだったので、悪い夢をみないように今晩も酒をたくさん飲もうと思います。(笑)

7月23冊目_2026年124冊目