本書は、トランプ再選、イーロン・マスクの影響力拡大、J.D.ヴァンス副大統領、石丸伸二現象、韓国の事例など、世界中で同時多発的に起きている既存エリート(政府・官僚・メディア・大学など)への反発と、破壊者たちの台頭を分析した政治・思想解説書といった感じでしょうか。ニュース解説メディア『The HEADLINE』編集長による初の単著らしい。
高学歴・富裕層の「カウンターエリート」による、単なるポピュリズムや反知性主義ではなく「何かが間違っている」という根本的な異議申し立てとして位置づけています。
カウンターエリートとは、エリート的な背景(高学歴・富・地位)を持ちながら、既存の既得権益化したエリートを批判・攻撃する矛盾した存在。彼らはリベラルな秩序(多様性重視、官僚制、グローバル化など)が社会を停滞させ、欺瞞に満ちていると主張。
草の根のMAGA(ドナルド・トランプ米大統領の看板スローガンである「Make America Great Again(米国を再び偉大に)支持者とは別に、この新層がトランプ現象を支え、世界に広がっていると指摘しています。
思想的背景として、ピーター・ティール(PayPal共同創業者でヴァンスのメンター)を中心に解説しています。ティールらに影響を受けたリバタリアン思想は政府規制や再分配を嫌い、個人の自由と才能を絶対視。加速主義はテクノロジーと資本主義を極限まで加速させて社会問題を解決しようとし、民主主義を進歩の足かせと見なします。
著者はカウンターエリートの台頭を地殻変動として認めつつ、両論併記的に評価。彼らがもたらす可能性として、官僚制の破壊と効率化、政府のスタートアップ化、テクノロジー楽観主義によるイノベーション加速が期待される一方で、権威主義的傾向や民主主義のガードレール崩壊、社会的不安定・格差拡大のリスクも指摘しています。
「悪いニュースの始まりか?」と問いかけ、左派のビジョン復権や進歩主義的テクノロジー楽観主義の必要性にも触れ、単なる礼賛ではなく変化の両面を指摘して締めくくっています。トランプ2.0以降のリアルタイムな展開(マスクとの関係変化など)も踏まえ、さらなる思考を促す内容となっています。
全体として、難解な現代の政治・思想潮流を新書らしい平易さでまとめ「なぜ今、破壊者が支持されるのか」を体系的に理解できるような一冊です。トランプ政権や世界情勢を深く知りたい人におすすめできる、そんな一冊ではありますが・・・私自身、難解な部分があってイマイチ理解できていませんが、とりあえずアウトプットしておこうと思います。(笑)