第二次トランプ政権の外交安全保障政策を立案する米シンクタンクの中心人物2人と、日本側国際政治アナリストによる対談形式の本書。
著者のフレッド・フライツ氏はアメリカ・ファースト政策研究所(AFPI)副所長で、第一次トランプ政権の国家安全保障会議幹部を務め、第二次政権の外交安保指針書をまとめた人物。スティーブ・イエーツ氏は同研究所やヘリテージ財団で中国政策を主導する専門家。渡瀬裕哉氏が聞き手・構成を担い、トランプ政権中枢の本音に迫っています。
トランプ再選後の「アメリカ・ファースト」外交が、日本、特に高市早苗首相との強固な同盟を通じて日米双方の繁栄をもたらすという展望が描かれています。
トランプ支持の背景である「常識による革命」、中国・ロシア・北朝鮮・イランなどへの強硬姿勢、南米やグリーンランドを含む広範な外交構想、日米同盟の「ニュー・ノーマル」化を具体的に語られています。
フライツ氏は世界をより安全にするための現実主義外交を強調。既存の多国間主義の失敗を批判します。イエーツ氏は中国共産党への包括的な封じ込め戦略を軸に、日米が経済安全保障や技術分野で連携を深める必要性を指摘します。
高市首相については「日本ファースト」の姿勢がトランプの価値観と一致し、「強力な味方」「信頼できるパートナー」と高く評価しています。
本書は第二次トランプ政権がグローバル主義を「失敗作」と位置づけ、二国間や小規模連合を中心とした現実的な再構築を目指す点を明確にしています。中国への強硬策、貿易交渉での日本への期待、防衛力強化、エネルギー・レアアースなどで協力し、クアッドやAUKUSなどの枠組み活用を具体的に論じ、日米が「より強く、より豊かになる」道筋を示します。
一方で、貿易摩擦などの調整可能性も認めつつ、安全保障上の共通脅威への集中を最優先とし、トランプ政権が日本を「インド太平洋における不可欠なパートナー」と見なしている点を繰り返し強調。米国民がトランプを支持し続ける理由を改めて整理しています。
全体として、トランプ政権の「本音」を日本向けに発信した親日的なメッセージ的な本であり、高市政権下の日本が第二次トランプ政権と歩む「黄金時代」の可能性を楽観的に描いています。
日米同盟についてなんとなくバッフラと理解はしているつもりですが、本書を読んで少し理解を深められた。そして、トランプ外交の方向性を少し理解できた。そんな本書でありました。
6月15冊目_2026年96冊目