コインロッカー・ベイビーズ / 村上龍


作品はとても有名ですが、実は中身は全然知らず。笑

50代にして初めて読みました。

あらすじを検索すると、色々な人がたくさん書いています。

しかし、どれだけあらすじを知ったところで、

このストーリーの強烈さと、

出てくる人たちのディティールがすごいというか、

本書を読まなければ感じ取れない物があり、

実際、私は3回以上読みましたが、読めば読むほど、

物語の詳細やその時々の感情が、

どんどん深く感じ取れるようなイメージです。

これが「村上龍の凄さ」なのか。

そんなことを感じさせてくれる内容でありました。


コインロッカーに捨てられ生き残ったキクとハシ。
施設で双子として育って行く。

そんな生い立ちのせいか二人は精神的異常。
不思議な治療を受ける。
睡眠誘導剤を入れたジュースを飲まされ、
覚醒状態になった時に暗くして心音を聞かせる。
キクもハシもかなり改善したが、
この治療が二人の人生を大きく変える。

キクは心臓の音に敏感になり、
ハシはその音を探して後に歌手になる。
二人は小学校に上がる前、
炭鉱がつぶれた島で双子が欲しいという夫婦に、
引き取られ、育てられることになる。

ハシはデパートで舞台で歌っている人から
催眠術をかけられ、治療で聞いた音を思い出す。
その音を探し始め学校に行けなくなる。
キクは廃墟で「ダチュラ」という言葉を教えられる。
高校生になったキクは棒高跳びに熱中。
ハシはクラスのみんなと仲良くなっていく。
ある日テレビで、意味深な老作家が話すのを聞き、
自分の母を探し家出をする。

キクは母の和代と一緒にハシを探しに行くが、
事故にあって和代は死んでしまう。

キクはそのまま東京に残ることにし、
「ダチュラ」について調べ、
生物兵器であることを突き止める。

キクがダチュラを求めて棒高跳びで薬島に入ろうと企てる。
そんな日に「ワニを飼う女」アネモネと出会う。
棒高跳びが見たかったら今晩、見に来ればよいという。

失敗してしまうが、助けてくれたのはハシ。

ハシはミスターDに認められ、
レコードを出してヒット。
マネージャーの「乳房がない年上の女」
ニヴァと結ばれ人気歌手として、登りつめていく。
さらにミスターDは、ハシの出生を売り物にして、
レコードの売り上げをもっと伸ばそうと、
ハシの親を探し出し内緒で対面させる企画を考える。

キクはそんな噂を聞きつけ、現場に駆けつけるが、
実際来ていたのはキクの母親だった。
キクは母親を撃って殺してしまう。

キクは刑務所に行くがそれに絡んで行くアネモネ。
脱走に幇助。そして「ダチュラ」を探し求める。

ハシはハシでどんどんおかしくなっていく。
ニヴァとの間に子供が出来ますが、
刺してしまいます。笑

そして「ダチュラ」を手に入れたキクが取る行動。

「東京を真っ白にする」

人々が先程まで生活していたシーンが、
タイムマシーンで止まったような、
しかしわずかの生物感が残っているような、
とても不思議なシーンですが、

すごくイメージできるような内容でございました。笑

私は、4〜5回、読み上げさせて聞いたので、

これくらい理解しています。笑

まだまだ、あそこをもっと深読みしたい。

あそこのやり取りをもうちょっと詳しく知りたい。

そんな不思議な本です。笑

まさに「村上龍恐るべし」です。笑

27 th in August / 243 th in 2023