最強のナンバー2坂口征二 / 佐々木英俊


 私は中学時代、プロレスに熱狂した。そんな私のイメージは「坂口=猪木の参謀」です。本書はそんなイメージが間違っていなかったという印象をもらえる反面、これほどプロレス界を支えていた人間は他にいたのだろうか。そんな印象を受けた内容でありました。

 猪木のカリスマ性や破天荒さ。いい意味でそれに反する坂口の誠実で実直な人柄は、リングはもちろん、新日本プロレスという企業を運営して行く上では、まさに黄金コンビだったことが垣間見ることが出来ました。

 日本プロレスを飛び出した、猪木と馬場。私の印象は「坂口=新日」だったが、最初からそうでは無かった。馬場ともとても親交があり、両者から誘われるも日本プロレスに残った。その理由は残された人達を守るため。

 新日に移る経緯もカッコいい。興行的に苦しんでいた猪木に対し、自分が移ることによりテレビ放映を始める約束を取り付けた上での移籍だったという。

 馬場さんは自分と同じタイプ。猪木さんは自分と違うタイプだからこそ、よりプロレスを盛り上げることが出来ると考えた。

 私はプロレスに関する書籍は多分、数十冊は読んでいますが、坂口に関する記述は少ない。実際、坂口征二に特化した書籍は本書しかない。著者が坂口の人柄に惚れ込み、書籍化した意欲作。坂口が好きで好きで本を出した。そんな「坂口征二愛」をとても感じさせてくれる1冊です。

 本書はプロレスラー坂口征二の人生を書き留めてある内容ですが、そのへんのビジネス書や、リーダー論にもまけない、自分は経営者として、プロレスを通じとても刺激を与えてくれる内容でありました。

This is the 14th book in February and the 39th in 2024.