現代ホームレス事情-大阪西成・あいりん地区に暮らす人々を見つめて-/ 西本裕隆


私は訪れたことはありませんが、日本最大のドヤ街と言われる「あいりん地区」。ここで暮らすホームレスたちの日常を、近くで生まれ育った著者が取材を重ねて綴られた本書。明らかにされるホームレスの、悲しさやたくましさ。ホームレスを食い物にする悪徳貧困ビジネス。一度ハマるとなかなか抜け出せないホームレスの世界の事実と真実など、とてもわかり易くまとめられています。

人がホームレスになるには、

どんな時、どのように、なぜなるのか。

職を失ったり、借金で首が回らなくなったり、

会社の金を使い込んで逃げて来たり、

様々な理由がある。

そして、いつか抜け出してやろうと思うものもいれば、このままホームレスで構わないという人がいる。

「ホームレス=働かない」そんなイメージがあった。

しかし、そうではない。

食料を得るためには、金銭が必要であり、得られなければ死んでしまう。ダンボールや空き缶を集めて売ったり、雑誌を拾って売ったりする。

著者も実際に1日、空き缶とダンボールを歩いて集め、金銭に変える体験をしてみようと挑戦したことも書かれています。

1日街中を歩いて得られた金額は188円。

著者は初めてだったこともあるが、どんなに稼いでも1日2000円程度だという。

私にはとても無理そうです。笑

印象的だったのは「悪徳貧困ビジネス」だろうか。

ダンボール回収業者がリヤカーを貸し出すようなのは可愛いもので、住処と食事を提要するとアパートに軟禁し生活保護を搾取したり、戸籍を利用して外国人と結婚させたり、借金させて転売したり、病院に行かせて補助金で支払い出された薬を転売したり・・・

よくそんなことまで、悪いことを考えつくものです。

著者がホームレスから聞いた話が18人紹介されており、各人のホームレスになった過程や考えは、まさに多種多様でありとても興味深い。笑

あいりん地区では、定価より安いタバコが売っているという。

「スーパー玉出」という激安スーパーが他地域より更に安いという。

「泥棒市場」という盗品が売られている場所があるという。

西成警察署は要塞のような外観だという。

実際にネットで色々調べましたが、全て本当のようです。

少し興味が出たので、行きたい衝動に駆られましたが、

グーグルストリートビューで1時間ほど歩き回ったので、

おなかいっぱいです。笑

行かなくても良いとは思いましたが、

行かなくても済むように、

真面目に働こうと思います。

21 th in October / 281 th in 2023