東京タワーが消えるまで / 森沢明夫


ライブハウスで出会ったバンドに惚れ込んだ主人公(女、独身、32歳)。彼らをプロに育てるべく、会社をやめて一人でインディーズのレコード会社を設立。全てを賭けて彼らのために奔走するが、大切なライブ当日にメンバーが現われず、元上司に自分の育てたバンドを奪われてしまう。新たなパートナーを見つけ、こんどは彼のために再び奔走する。一時は決まりかけたメジャーデビューも、娘がいることで流れてしまう。この娘がとてもいい味を出してます。「誰かを笑顔にするために」人生を駆け抜けるアラサー女子の物語です。

著者の本は結構な冊数を読んでいます。

●夏美のホタル
●大事なことほど小声でささやく
●青森ドロップキッカーズ
●虹の岬の喫茶店
●癒し屋キリコの約束
●ヒカルの卵
●水曜日の手紙

本書は多分8冊目です。笑

安定的なハッピーエンドで、
心が温まる感じ。
そして笑えて泣ける感じ。
必ず登場する印象的な場所。
本書は主人公の自宅兼事務所でした。笑

最初のバンドを奪われて、
実家に帰るシーンがある。
マシンガントークの母と対象的な
口数の少ない醤油職人の父。
そんな父とのやり取りがとても素敵です。

レビューでこんなことを書いている人がいた。

自分がトゲトゲしてると感じた時にオススメの1冊。軽く読めて、どの登場人物も優しい。主人公は30代なんだけど、お父さんやお母さん、かわいい幼稚園の女のコも出てきて、どの世代の人が読んでも、感じる部分があるはず。私のトゲトゲ、引っ込んだよ。

森沢明夫さんは本書に限らず、まさにこんな印象です。私は現在、特にトゲトゲしているわけではありませんが、正直に前向きに頑張っていれば、周りの人たちも応援してくれ、最後はうまく行くのではないか。そんな勇気をもらえる1冊でありました。

05 th in September / 248 th in 2023