こころ / 夏目漱石


太宰治の 人間失格を読んだので、

それに並ぶ、ロングセラーを読んでみたくなったので、

手にとってみました。

「吾輩は猫である」は読んだ記憶はありますが、

「こころ」は読んだ記憶がありませんでした。

今回読んで、子供に読ませるような内容で無いから、

小学生とか中学生には読ませなかったのではないか。

そんな物語でございました。笑

友情と恋の選択肢。

どちらかを選ばなくてはならなくなったら、どうするのか。

その「こころ」の葛藤が「私」への「手紙」で、

「遺書」という形で解明される。

鎌倉の海岸で、学生だった「私」は一人の男性と出会う。

不思議な魅力を持つその人を「先生」と呼んで慕う私に、

なかなか心を開いてくれない先生。

様々な問いを投げかけても、肩透かしを食らう。

「私」の父が病に倒れ、帰郷するが、先生とのやり取りは続く。

そして最後に届く、分厚い封筒。

「これが届くころには、私は死んでいる」

先生の遺書が届く。

乃木希典(のぎまれすけ)日清戦争では第一旅団長。台湾総督を経て、日露戦争では第三軍司令官。陸軍大将、軍事参議官となり、その後は、学習院院長として次世代の教育にも貢献した。明治時代の代表的な軍人。

夫婦で写真を撮影し、その日に夫婦共に自刃。明治天皇に殉死した乃木希典が神として崇められる。

その殉死と、重ね合わせられるような物語。

明治という時代 は、昭和と平成時代を生きてきた自分 には、

もう理解できない遠い世界。

そんな現実を叩きつけられたような小説でありました。

文学って凄い。笑

50を過ぎたが、新しい発見が出来てよかった。笑

04 th in August / 220 th in 2023