ロケット・ササキ: ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正 / 大西康之


孫正義関連の本を読むと、必ず出てくる「佐々木正」

孫正義が開発した電子翻訳機を買ってあげたとか、

銀行から融資を貰えなくて困っているときに、

「俺が保証するから融資しろ」と銀行に口利きしたとか、

エンジニアというよりは、経営者視線で語られているものが多かった。

しかし、本書は題名の通りまさに

「エンジニア・ササキ」を十分堪能することが出来ました。

世界的な電子産業の多くのメーカーに多大な影響を与えた人物が、日本人であること。そして「共創」という信念のもと、多くの人たちのめぐり合わせを、生み出して行く。

どんなプロジェクトでも、ロケットの如く、

驚愕のスピードで成し遂げていく。

最高にカッコいいです。笑

戦時中開発に携わった「殺人電波」が電子レンジになったとか、

電子レンジの回るテーブルと「チン」の特許を開放したとか、

壮絶な電卓戦争の歴史とか、

孫正義との出会いと援助とか、

スティーブ・ジョブスの印象的な出会いとAppleを追放され相談しにきた様子、ビル・ゲイツと組むように勧めたとか、

松下幸之助に頼まれて、松下電器で電卓戦争について詳細に講演したとか、

こんな日本人がいたことを、世界に対し「誇り」を持ちたいと思います。

本書にこんな記述がありました。

昭和から平成に元号が変わった1989年の7月、顧問を最後に佐々木はシャープを去る。2ヶ月後、孫正義に請われてソフトバンクの相談役に就任した。この頃から佐々木は周囲にこう話すようになった。

「虎は死して皮を残すというが、私は孫正義を残した。もういつ死んでも構いません」

カッコいいじゃないいか。

私は嫁の母と同居している。

名前は「佐々木正子」という。笑

もちろん関係ない。親近感が湧いただけ。笑

日本の電子立国を支えた立役者の功績を知ることが出来たこと。

技術が日進月歩で進んでいく時代に、生きているということは、幸せなこと。

そんな認識をもらうと同時に、とても勉強になりました。

05 th in August / 221 th in 2023