熔ける日本の会社 / 井川意高,渡邉哲也


 井川意高さんに関連する本は「熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録」「熔ける 再び そして会社も失った」堀江貴文氏との共著「東大から刑務所へ」と、過去に3冊読んでいます。

 大王製紙関連会社から、何百億もの借金をしてギャンブルでそれを失ってしまい、刑務所に行った人の話でしたが、別著でも感じることはできましたが、とても優れた経営者なんだと言うことが本書を読んで再確認することができました。

 車好きの井川氏が、専門書まで取り寄せ服役中に本をたくさん読んだ知識について触れています。電気自動車を強く否定している。電気は作られた時、そのまま使えば大半をエネルギーに変換することはできるが、1回どこかに貯めて使おうとすると、エネルギーロスは、半分以上になる。電気自動車は画期的な電池が出なければ、淘汰されるのは目に見えているという。

 日本の自動車メーカーは、トヨタとスバルとMAZDAが残れば後はいらないと言っていた。MAZDA派の私としては嬉しい限りです。笑

 渡辺氏からどんな車が一番求めているか、井川氏が問われていましたが、1960年代に作られていたような、鉄だけで作られた単純な仕組みで、今の燃費技術を生かした車を作れば、リサイクルもしやすいので、良いのではないかと言っていた。

 今の車はパーツの組み合わせでできているものがほとんどで、その供給がなくなると維持することができなくなる。20年以上乗れる車は現在の新車にはないと言う。

 私もこのへんはとても同意することができる。会社にある身近な道具でも、チェーンソーや刈払機など単純なものは何十年も使えるのに、現在の車は20年とか使えるものはない。

 現在、自分の会社にはありませんが、30年以上前の車は20年以上現役で活躍したものもありましたが、現在の車ははっきり言って無理だと思っている。壊れたとき修理に出しても請求書に書かれている内容は修理というより、アッセンブリの交換ばかりで、いつもお前らは修理屋じゃなくて交換屋だと揶揄するほどです。笑

 話はそれてしまいましたが、本書は日本の企業について、これからどうなっていくのか、どうなれば生き残っていけるのか。特に「楽天」に関する記述は興味深い。とても様々な会社、様々な分野について2人の論客が語っている内容ですが、どれもこれも興味深く大変勉強になりました。

4月14冊目_2024年89冊目