ウクライナ戦争は世界をどう変えたか 「独裁者の論理」と試される「日本の論理」/ 豊島晋作


 この世界の歴史を支配しているのは「自分は被害者」という思想だという。ロシアがとった行動の裏側には、大きな「恐怖心」と「トラウマ」があり、ウクライナでの軍事侵攻による力を西側に見せつけ、かつてのロシアの栄光を取り戻す。そんなプーチンの個人的思想から繰り広げられている行動だという。

 ロシアがウクライナを侵攻しようとしている。この動向を注視している中国。世界の情勢はどう動くのか。台湾有事の参考書にしようとしている。

 今回、ロシアが侵攻しようとしたのはウクライナだった。たまたまウクライナだったが、北海道に侵攻していたかも知れない。それくらい極東日本の、ロシアにとっての北海道、中国にとっての沖縄。どれだけ軍事的に重要な拠点であることを、とても理解することが出来ました。

 日本の中では、沖縄や北海道といえば、観光地として人気の双方。それらが軍事的には如何に重要なキーポイントである。本書に書かれていることを理解し、地図を眺めれば十分理解することが出来た。

 私も含めた「平和ボケしている日本人」として、「アメリカが助けてくれるから大丈夫」そんな風に思っていることが、如何に愚かな考えなのか。そんなことを痛感します。

 ロシアがウクライナに侵攻したのは、ロシアよりウクライナの軍事力が劣っていると判断したから。

 ウクライナにアメリカが行かないのは、アメリカとロシアの軍事力が均衡するレベルだから。

 日本も中国やロシアを抑止するためには、防衛予算を増やすというと、戦争の準備をするような印象を受けるが、実際は、防衛力という名の軍事力を高めることにより、日本の未来の安全を確保することができる。

 このような現実を、日本のどれだけ多くの国民が自覚できるのか。「戦争」の反対語は「平和」と、よくいわれる。しかし「平和」していれば、他国が侵攻しないわけではない。「戦争」の反対は「対話」という論調もある。

 ビジネスでも相手が自分と取引できるレベルなのか。そんな色眼鏡を使って相手と接している、接しられる時がある。そんなレベルにならなければ「対話」する相手にしてもらえない。そんな論調をメディアは主導するべきなのに。「戦争反対」なのはわかるが、「防衛予算拡大」は同じベクトルを向いている行動なんですよと、そんな報道をしてほしいものですね。笑

2月17冊目/2024年62冊目