引っかかったらこうなった 悪徳業者とガチ対決 / 裏モノJAPAN編集部


 自ら進んで詐欺まがいに踏み込んで行く。そしてその実態をレポートする。そんな内容ですが、騙される前提で内部に踏み込んで行くからこそ感じ取れる、そんな生々しいレポートだらけです。

 岩手県ではあまり無いとは思いますが「都会はおっかねぇ〜なぁ〜」と、つくづく感じさせてくれる内容でありましたが、そんな悪者を著者が撃破していく姿がとても痛快です。

 新宿西口の占い師は謎のお祓いで高額な金をブン取る一味だったとか、タダ飯ねらいのパパ活オンナを安メシで凹ませたとか、宝石キャッチ嬢と7時間の攻防したとか、熱海の傍若無人タクシーに喝したり、パチンコ攻略サギにとことん付き合ったり、祭りでよく見る「ひもクジ」店の高額商品に食いついたり、新聞勧誘員になってみたり、黒人の客引きに付いていったり。

 本書を出すための目的があるのはわかりますが、行動力が凄すぎます。前半は自分があえて引っかかったエピソードが多いですが、後半では嘘を暴いて見せるというそんな内容があります。

 宣伝会社の「全米が泣いた」というコピーに食いついて、実際にその映画を現地に行ってアメリカ人に見せて、本当に泣くのかどうか検証します。笑 見せられたアメリカ人も「そんな目的で来たのか」そんな同情をもらうあたりも非常に面白い。笑

 前述の他、開運ブレスレット。ファーストフードのメニューの写真と実物の違い。キャバ嬢のお決まりトーク。援交女の詐欺写真。そんな当事者に接してバッサバッサと切っていく姿が爽快です。笑

 とても印象的だったのは「UFOキャッチャー」だろうか。著者はリースをしたい店舗のふりをして納入業者に近づき接した内容が記述されていました。行った先には100台以上のUFOキャッチャーがあり、様々な説明を受けたという。

 掴む力を、掴むとき、運ぶとき、何回に1回とか、何時間に1回とか、そんな詳細な設定をできるという。笑 もう何十年もUFOキャッチャーなどやった時はありませんが、20代の頃は結構喜んでやっていたような記憶がある。

 本書にはこう書かれていた。「実力は関係ない」あまり思いつく人物はいませんが、UFOキャッチャーが好きな人には助言してあげようと思います。

「お前はダマサれている」

とても勉強になった本書でありました。笑

02 th in December / 306 th in 2023