だから、ぼくは農家をスターにする 「食べる通信」の挑戦 / 高橋博之


 著者は3月20日。宮古の近江屋で講演会をやるという情報が入ったので、すぐに参加申込みをした。著者の『都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡』に、とても感銘したので是非本人の声を聞いてみたかったからです。笑

 昨年は320冊、読書のアウトプットをしましたが、ベスト5はどれですか? そんなことを聞かれたら、間違いなく五本指に入れる。そんな前書でありました。

 それくらい、都市と地方をかき混ぜる。生産者と消費者をつなげる。そんなコミュニティを提供することをビジネスにすることが、現在、日本の地方で課題とされている、人口減少や後継者の不在。そんな問題を根本的に解決してくれるのではないか。都会が上で地方が下。著者も故郷捨て東京に憧れを持った生い立ちがそうだったが、それから一転して故郷に逆戻りし、自分の生まれ育った土地のために政治家として行動する。様々な意味でとても共感し、応援したくなる。そしてどんな地方でもチャンスはある。そんな勇気と希望をもらえる内容でありました。

 本書も近い時期の発刊ということで、内容は前書とほぼかぶっている印象ですが、前書の内容を復習出来た意味でも、2冊目を読んだことは有意義でございました。

 「地産地消ではなく知産知消」そんな記述があった。地元で生産したものを地元で消費する。それはもちろん大切なことではある。それより、消費者が知っている人が生産したものを、生産者が知っている人が消費する。

 スーパーで買うどんな野菜より、田舎のおじいちゃんが作った野菜の方が美味しいに決まっている。そんなコミュニティを創出するという「食べ物付きマガジン」SNSで主にFacebookを利用している事例を紹介していますが、管理者がコントロール出来ないほど、生産者と消費者の繋がりが深くなって行く様子は、読者としてみても嬉しくなって行く印象すら感じます。

 著者は「あとがき」でこのようなことを書いています。

 私は、この日本再生装置とも言える小さなメディアを全国各地に広げていきたい。そうして、都市と地方という言葉、概念がなくなるくらい、両者をかき混ぜたい。そこには、日本人の命が踊る新しいフロンティアが広がっているはずだ。私は、そのフロンティアを多くの仲間たちと共にこの目で見てみたいと思う。そして、次の世代に受け渡したいと思う。そのフロンティアを見つける大航海は今まさに始まったばかりである。多くの困難が待ち受けていると思うが、私は今、武者震いがとまらない。l

 そんな「武者震いが止まらない」というその後の展開を、3月20日にどれくらい聞けるのか。そんなことを楽しみにして・・・自分は手が震えないよう、今日も飲もうと思います。笑

This is the 10th book in March and the 55th in 2024.