婚活中毒 / 秋吉理香子


 率直な感想は「お見事」でした(笑)。「婚活」で繰り広げられるミステリー中編4つ。どれもが、「そうくるかぁ〜」と、感心させられてしまいます。

「理想の男」は、結婚相談所で紹介された運命の相手は、掘り出しモノだと思ったが、前に紹介された女3人はみんな死んでいた。

「婚活マニュアル」は、街コンで出会った美女と付き合い貢ぐが、後ろに控えていたブス女とグルだった。

「リケジョの婚活」は、本命男を絶対に落とす〈婚活ツール〉があるけれど。

「代理婚活」は、見合い相手の母親に会いたい一心で嘘を重ねる父親。最後の結末がお見事です。

 ミステリーなので「ネタバレ」になるので詳細は伏せておきます。

 全編「婚活」がテーマになって繰り広げられるストーリーですが、私も含めた人間は誰もが持っている、「好かれたい」という欲望が起こす人間の行動というか、自分の思想を正当性してしまう変化など、本書はフィクションでありますが、それを疑似体験することにより、果たして自分はどう考え、行動するのか。そんなことを考えさせてくれる本書でありました。

07 th in January / 07 th in 2024