白バイ隊員 交通取り締まり とほほ日記 / 洋吾


 白バイというと、私も含めたドライバーからすれば、できればお世話になりたくない対象です。運転中に姿を見つけると、とりあえず条件反射でドキッとする。笑

 しかし、本書は逆の立場。取り締まる側の白バイ隊員から見た景色がとても新鮮です。ノルマと格闘しながらの「取り締まり」クリアーするために日々葛藤する姿が描かれています。

 敵視しがちな白バイ隊員たちにも、愛すべき側面があり、取り締まれるのもしょうがないとまでは思いませんが、相手の立場や思想を知れるというだけでも、読んだ甲斐はあったという素直な印象です。笑

 白バイに乗りたいから、警察官を志したという著者。交通違反を取り締まり様子は、私も捕まったことがあるのでなんとなく想像することが出来ましたが、海外の要人が来日した時に先導する様子や、マラソン大会などの先導をする様子がとても興味深い。

 「全クリ」という言葉を多用していた。全部がクリアーという意味らしいが、昼間の都会の道路で自分の前方には車も歩行者もいない。そこを先導していく爽快感は、選ばれたものしか体験できることではないだろう。

 本書を読んで、海外の要人が都市を走る様子や、マラソン大会など、少し違った観点で見れるようになった気がします。

 私はバイク乗りではありませんが、バイクを乗る人に取ってとても楽しめる内容だと思います。しかし、四輪車より二輪車の違反を取り締まった方が、ポイントを多く獲得出来るという記述があった。笑

 四輪車より二輪車の方が、捕まりやすいという警察内部の仕組みがあったらしい。そんな側面も知ることが出来て、とても有意義な本書でありました。笑

3月27冊目_2024年72冊目