ELTのギタリスト「いっくん」こと伊藤一朗氏。
本書は、まさに「いっくん」のイメージ通り。笑
そんな印象です。
ユルい人生哲学を明かしています。笑
最近はバラエティでの知名度が上がりすぎたせいなのか、
かなり年下のタレントさんなどから、
「伊藤さん、ギター弾けるんですか。」
そんなことを聞かれる時が多いという。笑
本当はドラマーになりたかったが、
金持ちの友達がドラムを買ってもらい、
選択肢がどんどん減って、行き着いた先が、
ギタリストだったという。笑
様々なギタリストの本も読みましたが、
最後の選択肢がギタリストだったという、
そんな経験は非常に興味深い。笑
ギタリストっが陷る病として、
いっくんも最初はヘビーメタルにどっぷりだったという。笑
この世界で食っていくには。冷静に考えたら、
聞いてくれる人が多いジャンルに移行することが、
賢明だと気がついて行動する。
こんなエピソードが紹介されていた。
横須賀のロック青年たちの中心にいたのは、今は亡きhideさん。仲間たちはみんな、hideさんのお祖母さんの美容院で髪を染め、数段派手になって戻ってきた。とはいえ、派手さでhideさんに敵う者はいない。「茶髪」さえも普及していなかった1980年代、hideさんが赤い髪をなびかせて駅前を通ると、ライオンが海中を泳いでいるくらい目立っていた。 一方、僕はといえば、メッシュの金髪をちょっとだけ混ぜた黒髪。長さは、ヘソくらいまで。仲間内では地味なほうだが、目黒でニューハーフバーにスカウトされるぐらいには目立っていた。
「ライオンが海中を泳いでいる」という、比喩がなかなか素敵です。笑
そして山下達郎に挨拶しにいったエピソードも紹介しています。
直近で行ったのは冬のライブだったのだが、そのとき達郎さんに開口一番尋ねられた。 「君、今年の大晦日、また『アレ』に出るのかね?」
紅白ではない。
達郎さんはお笑いが好きだ。「笑ってはいけない」は、毎年見てくださっているという。 「達郎さん、そういうのはネタバレになっちゃいますんで、いえないんですけど……ええ、一応収録はしました」
「そうかね~! ウチの家族は皆アレが好きでね……」
みたいな話から始まり、音楽の話になど全然ならない。
それを嬉しいと感じる。
尊敬している人と「会話」ができる立場になるには、その人を追いかけて同じことをやっているのではダメだ、と僕は考えている。音楽の話をしたって、その人にかなうわけがない。万一かなっても、その人が二人になるだけで、話をする意味がない。
だから、話をするなら、おのおのが別の個性をもっていなくてはいけない。
いっくん、深いです。
次からELTを見る時、
尊敬の眼差して、見れるようになる。
そんな本書でありました。笑
21 th in July / 204 th in 2023