グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす / 森川潤


 数年前、時代の転換点は、すでに始まった。全世界の企業でもトップを誇ってきた石油資本エクソン・モービルの時価総額は、誰もしらないような、フロリダの地方電力会社、ネクステラに追い越された。風力発電、太陽光発電のシェアで全米をひそかに席巻し、この10年でその株価は5倍にもなっていたという。

 むかし、ハリウッドのスターたちがプリウスにこぞって乗っていたような時とは一変して、もはや再生エネルギーはファッションではなくなってきた。

 新時代の再エネの巨人「グリーン・ジャイアント」たちは、すでにカーボンニュートラルの世界での覇権をめぐって激しい競争を繰り広げている。日本はトヨタを代表するような従来の企業が未だに強いため、日本の各業界、政府が内心では必要と思いながら、実際は目を背けてきた「世界の再エネビジネスの最前線」を、日本の外から見た目線でそんな実情がたくさんの例を交え紹介されています。

 このような再エネ関連やSDGs関連の本を読むといつも感じることがある。欧州各国がとても進んでいて、アメリカや中国、ロシアなどは後ろ向きに考えていることが多い。

 私がいつも感じることは、欧州各国が再エネに関して進んでいるのではなく、エネルギーを持っていない国の「悪あがき」にしか過ぎないのではないか。実際、SDGsも欧州各国が主導している。なんの本に書いてあったか忘れましたが、誰も言わないがSDGsにとって一番の有効策がある。「人口を減らす」誰もがわかっていても口にしない。人口減は市場競争社会の消費者が減ることを示すからです。

 カーボンニュートラルに関して様々なことを知ることが出来、その論争の大枠というか、世界の流れをなんとなく理解できたような気がします。

 原発、太陽光発電、ビーガン食、EV、新原発、よく語られる牛のゲップなど。日本の世界のためになり、これからリードしていくには、どのような技術を提供すればよいのか。

 そんなことを様々と考えさせられてくれる本書でありました。そしてこの手の本を読むといつも思う。まだEVの時代は来ない。それこそトヨタのハイブリットを真似できない、欧州各国の悪あがきです。笑

5月19冊目_2024年109冊目