世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか / 鈴木宣弘


 まず、はじめに言っておこう。今年100冊以上、ここ3年で1000冊以上読んでいる私がいう。是非、本書を皆さんに読んで欲しい。そんなことを思わせてくれる本書です。

 日本は食料自給率は4割を下回る。そんなレベルなのに飽食の時代だとか、フードロスが問題だとか巷では騒いでいる。

 海外から食料を調達が出来なくなったらどうなるのか。仮に調達を出来たとしても、現在おかれている円安はその調達コストを究極に圧迫し、末端の消費者の負担増は免れない。

 岸田内閣は防衛予算を増やすという。そんな論調に反対する人はあまりいない。しかし、戦争に関する危惧をする以前に、食を確保することを維持できるのか。食って生命が維持出来るからこそ、安全を求めるのに。もっと根本的なものを求めるべきでは無いかと著者は力説しています。

 日本の農業は行政に保護され、小規模だから採算も取れないので市場では生き残れない。そんな論調は存在する。しかし、日本ほど行政から補助されない農業はないという。

 アメリカの農業は規模が大きく、とても効率的で、国際競争力も高い。そんなイメージがあるが実はそうでは無い。とにかく増産を促して、採算が合わなければ行政が補助をする。そして、アメリカがいなければ、自国の食は確保されない国を作って行くと言うそんな国策です。

 日本は戦後、GHQの圧力により給食にパンを導入した。加えてメディアを利用し、米を食うと馬鹿になるとか、そんな洗脳を国民にして、アメリカが自国で生産する農作物を消費という名の、処分地とされた。

 GAFAが世界を支配しているとよく言われるが、「食」の世界を知ると、アメリカのやっていることはえげつない。そんなことをとても知ることが出来る本書です。

 みんな農家になれというわけではないが、「食」を提供してくれる人に、もっと感謝しよう。そんなことを十分に思わせてくれる本書です。

 私は「畑ごっこ」をして遊んでいる程度の人間ですが、本職の農家より、本は読んでいると思うので、なにか新しい糸口でも探しながら「畑ごっこ」の向上に勤めたいと思います。笑

5月15冊目_2024年105冊目