台湾有事と日本の危機 習近平の「新型統一戦争」シナリオ / 峯村健司


 第二次世界大戦後、80年近くにわたり奇跡的に平和を享受してきた日本。台湾有事が起きればどんなことが起こるのか。最大の被害国になりかねないと著者は説いています。

 現在ウクライナで起きていることは、習近平にとって台湾有事のシュミレーションが出来ていると書かれている本が多いです。本書を読んでますますそのことは確信となってしまった印象です。

 習近平が台湾有事の先に目論んでいるのは、最重要ターゲットは日本だという。琉球王国はかつては中国のものであり、それを日本が侵攻したという発言をしているとググれば、たくさん出てきます。

 そして先日読んだ「中国共産党 暗黒の百年史 / 石平」にも書かれていたように。習近平は毛沢東に並ぶ、もしくは超える、歴史に名を残す「中華人民共和国の最高指導者」としての功績を成し遂げたい。

「台湾統一」は習近平の「宿命」であり、どのように台湾併合を目論んでいるのか。習近平の〝戦略ブレーン〞が考える「新型統一戦争」。先鋭化する米中対立により、東アジアの〝火薬庫〞はいつ爆発してもおかしくない。台湾有事で巻き込まれる日本。浮かび上がる日本の課題。

 「台湾有事は日本有事」というと、アメリカが守ってくれるはず。そんな楽観的なことを言う人も多いだろう。そんな人には是非地図を眺めて欲しい。台湾と沖縄がどれだけ近い所にあるか。

 台湾が攻撃されれば、基地や滑走路は破壊され、難民も出るだろう。難民は日本に流入し、必然的にアメリカが鎮座する沖縄の施設を使うことは、容易に想像することができる。

 前述しましたが、80年も平和だったのは奇跡的なことです。日本人もそろそろ「平和ボケ」から目を覚まし、現実に「戦争」が起こり得るそんなフェーズに突入しているという、そんな覚悟と自覚を持つべき時代ではないか。そんなことを考え、平和に感謝して毎日を過ごそうと思います。笑

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