残酷すぎる幸せとお金の経済学 / 佐藤一磨


 幸せな人と不幸な人は、何がちがうのか? 自分は現在幸せなのだろうか。さまざまな本を読むようになってから、幸せの尺度がどこにあるのか。そんなことを考えるようになった。不幸せ極まりない人の本はたくさん読んだが、成功者の本を読んでも自分は幸せだとかそんな記述を見ることは少ない。

「幸せ」は人によっても感じ方が違う主観的、抽象的な概念なので、かつては哲学や倫理学、心理学の研究対象にもなっていたという。しかし、近年は新たな分析手法が次々に開発され、経済学の観点から新たな研究結果がこの30年間に次々と発表されており、そんな結果を踏まえて、本書では様々と解説しています。

 子なし女性より子持ち女性のほうが幸福度は低いという。専業主婦より妻が管理職の夫のほうが幸福度が低いという。夫は妻より幸せになれないという。人生の「幸せのどん底」は48.3歳でやって来るという。経済成長すると子どもの幸福度は大幅に下がるという。

 本書では、結婚や育児、兄弟の構成、出世、学歴といったステージごとに幸福度はどう変わるのか。「幸福の経済学」のアプローチからデータ分析されています。ますます私は幸せなのか。わからなくなった印象です。笑

「離婚したら不幸せになるのか──離婚と幸せの経済学」という章があります。離婚の決定権は女性にあるという。女性の幸せ具合が大きければ、離婚する確率はどんどん小さくなっていく。
 本書では「尻に敷かれる」を薦めていた。あらためて「尻に敷かれる」の意味を調べてみました。笑

「妻に主導権を握られていること」「夫より妻が強く、妻が自由に振舞うこと」お金の管理だけでなく、子供の教育方針や家事の分担など、家庭のアレコレを妻が決めている状態のことを指す。
 では、一体どんな人が「尻に敷かれる」人になりやすいのか? 「尻に敷かれる」人の特徴は3つある。妻を心から愛してる。決断力がない。気の強い人が好き。

「尻に敷かれる」ことで生まれるメリットには様々なものがある。喧嘩が起こらず、長続きしやすい。女性の要望を理解できる。浮気の心配が少ない。

 最後にこんな言葉で締めていました。「尻に敷かれる」タイプの男性との結婚は、円満で長続きすると昔から言われている。実際に、「尻に敷かれる」男性は結婚相手として最適です。

 私は、妻を愛している人間なので、浮気の心配は無い。笑 そんな自分は妻にとって、結婚相手として最適なことを、再確認出来て非常に有意義でありました。笑

 本書に気になることが書いてありました。「SNSをすればするほど不幸せになる!」私はアウトプットする方なので、それなりに恩恵は感じていますが、読んでばかりで「いいね!」ばかりする人。「いいね!」もせず、ただただみている人。そんなあなたの幸せは蝕まれていく一方です。やり過ぎには注意したほうが良いと思います。笑

5月2冊目_2024年92冊目