人はこんなことで破産してしまうのか!/ 永峰英太郎,速水陶冶

 本書は、司法書士・速水陶冶の監修のもと、フリーライター永峰英太郎が実例をもとに描かれている「お金のしくじり本」になっています。

 破産の原因はギャンブルや浪費だけではない。推し活、ペット、介護、投資、見栄、人間関係など、普通の生活の延長線上に落とし穴があり、誰でもハマりうる現実を警告しています。

 多岐にわたるエピソードを紹介しています。推し活依存で借金3000万円超に至ったケース、リボ払いやペット医療費の膨張、住宅ローンの甘い勧誘を鵜呑みにした失敗など。

 投資では暗号資産で一時大儲けしながら破産寸前になった例、ワンルーム投資の罠、知識不足による損失。

 ママ友への見栄、教育熱心になりすぎた出費、子供の自転車事故による高額賠償責任、引きこもりの子への支援で家計破綻寸前の話。

 二世帯住宅購入後の負担増、認知症の親の資産凍結で介護費用を自己負担せざるを得なくなった娘の窮地、親の詐欺被害

 男女関係では不倫やホスト依存、経済的DV、熟年離婚による生活崩壊。定年後のカフェ開業失敗や「55歳の壁(役職定年)」など、中高年特有のケースも紹介されています。

 共通するのは「まさか自分が」という油断と、知識不足・楽観的計画・承認欲求・リボなど安易な決済手段の組み合わせです。

 破産は他人事ではなく、現代特有の心理的依存やライフイベントが引き金になる構造を指摘しています。

 各章にコラムで自己破産の実態、任意整理、個人再生の仕組みや注意点を解説し、予防・対処のヒントを示してくれています。

 投資のハウツー本より、先に失敗事例を学ぶうえで、本書を読んだ方が危機感を持てて逆に良いのかも知れません。

 「こんなことで?」と驚く身近な事例が次々出てくるため、他人事に感じられず危機感を高めてくれる本書です。自分にもなにか「破産に陥る起因材料」はないのか。そんなことを考えさせてくれると同時に、もっと学んで知識を深める重要性を実感させてくれる、そんな本書でありました。

9月4冊目_2026年159冊目