村上龍さんの本は、「限りなく透明に近いブルー」「69 sixty nine」「コインロッカー・ベイビーズ」「テニスボーイの憂鬱」「ユーチューバー」「インザ・ミソスープ」「55歳からのハローライフ」「新13歳のハローワーク」「昭和歌謡全集」「オーディション」「KYOKO」「恋愛の格差」「最後の家族」「案外、買い物好き」に続き、本書は15冊目のアウトプットです。
主人公の「わたし」は、29歳の書店員で、性経験も少なく感情を表に出さない凡庸で無気力な男。初めてできた恋人のミキのハンドバッグから「MASK CLUB」と書かれた奇妙なプラスチックカードを見つけ、好奇心から彼女を尾行。
ミキが毎週訪れるマンションの一室に忍び込んだところ、何者かに背中を刺されて殺害される。死んだ「わたし」は肉体を失い、意識だけの存在として部屋に残り続けます。
その部屋では、7人の女性たちが定期的に集まり、仮面をつけてSMのレズビアン・パーティを行っており、パーティでは必ず一人の女性だけがオルガスムに達するという奇妙なルールで、強い連帯と信頼関係で結ばれていた。
「わたし」は死者として彼女たちの行動を観察し、すでに先に殺されて同様の存在になった、心理テストをしていた哲夫と交信します。哲夫はかつて彼女たちのカウンセリングをしていたが、秘密を知りすぎて殺された人物。
「わたし」は女性の一人の身体・眼球・脳の神経細胞や「記憶粒子の海」に入り込み、彼女たちの過去の記憶を探ります。7人の女性たちはいずれも、父親の早逝や両親の離婚、継父や親族による性的虐待、幼少期思春期の性的PTSDなど、深刻なトラウマを抱えていた。
彼女たちはSMプレイを通じて、痛みや恐怖をコントロールし、自分の身体と意識を委ねることでトラウマと向き合い、連帯を深めます。侵入してきた、カウンセリングの哲夫や、尾行してきた「わたし」は、彼女たちの秘密を守るために殺さます。
物語は死者の視点から彼女たちの過去と現在を明らかにし、女性たちの連帯・復讐・再生の過程が描かれる。そんな内容でございました。
村上龍のSM・トラウマ・女性性を扱った『トパーズ』などに連なる作品だと紹介しているサイトがありました。この流れは次は『トパーズ』を読んでみたいと思いますと、そんな展開になるのがいつものことですが、本書で描かれている描写で「火の点いた線香を尿道に入れる」という描写がありました。
ここ半年で2回もTUL(経尿道的結石破砕術)をしたものとして、その描写はとても耐えられるものではなかったので、村上龍のSMモノはしばらく手に取るのをやめようと思います。(笑)
8月13冊目_2026年145冊目