社会に広がる「お金への不安・焦り」を見つめ直し、それが幻想である理由と抜け出し方を示すような内容になっています。
現代では老後2000万円問題などを背景に、大学生までが「老後が不安」と語り、投資や貯蓄に駆り立てられる。
しかし著者は、資本主義は「お金の不安」を膨らませる仕組みだと指摘。私たちを食い物にしようとしている者から見て、「良い客」でいる限り不安は消えない。
不安の正体はお金不足ではなく、少子高齢化による人手不足や、人と人のつながりの希薄化、安心できる居場所の欠如にあるという。
お金は誰かの労働の引換券にすぎず、働く人がいなければ価値を失う。なので貯金や投資して、お金だけあっても不安は解消しない。
むしろスキルや経験などの人的資本や、信頼やつながりなどの社会関係資本を積み上げ、支え合える場所をつくることが重要だという。
本書は8つの問いを軸に、「整理する」「支度する」「直視する」「協力する」という4つの行動を提案しています。お金以外の選択肢に目を向け、一生働く時代を希望に変える生存戦略が描かれています。
焦りを生む空気の正体はなんなのか。投資広告など「みんながやっている」という言葉は不安をビジネスにするもの。
「価格」より「自分が感じる価値」を基準にするべきと説いています。1000円のジュースが500円になっていたら得をした感じになるが、自分にとって美味しくないものなら価値はない。
そして成功者の真似も危険。成功は偶然や環境に依存している場合が多く再現性が低い。努力が報われにくい時代に、他人の物差しで測るのをやめ、自分の軸を持つことが焦りからの脱出になるという。
「お金を増やせ」という一般的なマネー本と、真逆の視点はとても新鮮でありました。お金がいくらあるから大丈夫でも無ければ、お金がなくとも大丈夫とか、そんなさまざまなことを考えさせてくれる本書でありました。
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