村上龍さんの本は、「限りなく透明に近いブルー」「69 sixty nine」「コインロッカー・ベイビーズ」「テニスボーイの憂鬱」「ユーチューバー」「インザ・ミソスープ」「55歳からのハローライフ」「新13歳のハローワーク」「昭和歌謡全集」「オーディション」「KYOKO」「恋愛の格差」「最後の家族」に続き、本書は14冊目のアウトプットです。
本書は2007年刊行、著者の買い物に特化したエッセイ集になっています。著者が「自分は全くオシャレに昔から興味がなかった」と語るところから始まります。
24歳で初めてネクタイをしめたというほどファッションに無関心だった彼が、サッカー選手の中田英寿がイタリアのリーグに移籍したのをきっかけにイタリアを訪れるようになり、そこでシャツやスーツ、ネクタイ、靴などの魅力に開眼する過程を描かれています。
特にイタリアでの体験が中心で、イタリア人男性が基本とする「ブルーの長袖シャツ」に強く惹かれ、短時間で十数枚もまとめ買いするような豪快な買い物ぶりが繰り返し紹介されています。
着心地の良さやネクタイとの相性を重視し、飼い猫の冷たい視線や中田英寿のあきれ顔もものともせず、買い物道を邁進する様子がユーモアを交えて綴られています。
他にもパリ、ハバナ、ソウル、上海、マウイ、フランクフルトなど世界各地での買い物エピソードが登場し、葉巻の道具、下着、Tシャツ、自転車バイク、サラミ、小物・置物などが挙げられています。
購入した品々は単なる物ではなく、旅の記憶を呼び覚ますものとして位置づけられ、日常の快楽や欲望に素直に従う姿勢が強調。デビュー作『限りなく透明に近いブルー』の印税で初めて大金を手にしたときの話や、『半島を出よ』の執筆時、箱根の温泉にこもったときにAmazonが役立ったことなど、作家としての心情も触れられています。
ブランド品について冷静に考察する場面もあり、買い物欲の熱狂と理性の間を行き来する様子が印象的な内容でございました。
サイゼリアの社長と対談するため、取材と称して食いに行ったときの話を紹介していました。「サイゼリアの味で育った日本の子供たちは、本場イタリアに行ってもサイゼリアを超える味にたどり着けないだろう」とそんな比喩をし、サイゼリアを称賛しておりました。
日韓ワールドカップのときに取材しに来ていた、イタリアのクルーも絶賛していたという。ただし、こんな素晴らしいイタリアンがあるという記事は、取材費を削られるため絶対に書かないという。(笑)
私はじつはサイゼリアに行ったことがない。(笑) 2023年11月に「人気飲食チェーンの本当のスゴさがわかる本 / 稲田俊輔」という、サイゼリア愛について語られているという本を読んだのを思い出した。その本を再び読み返して、今度サイゼリアに行ってみようと思います。
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