謎の村上春樹 読まなくても気になる国民的作家のつくられ方 / 助川幸逸郎


村上春樹はなぜこんなに人気なのか。

なぜ、世界中で称賛されるのか。

それらを著者の切り口で語られています。

自分は村上春樹は読んでも読んでも、

好きになるどころか、いつも共通の印象は、

「わけがわからない」だけれど、

だからこそ、なぜ?と思うことが、

少しわかったような、わからないような。笑

こんな一節がありました。

 美術館に飾られた絵のように、ながめて楽しむものではなく、遊園地の乗りもののように、みずから体験して初めて価値が生まれるもの。そういうものとして自分の作品を見てくれと、春樹は主張しているわけです。

  春樹の作品を「体験型アミューズメント」だと考えれば、「村上春樹の謎を解く」といった類の文章がたいてい書き手の「自分語り」になってしまう。春樹の小説の「わけのわからないところ」に、ある人が見いだした「解釈」は、その人にとっての「答え」にしかならないしくみなのです。自分の作品の文庫版に、他人が書いた解説を載せるのを春樹が拒むのも、おそらくこのためです。

「体験型アミューズメント」ですか。

東京ディズニーランドに行った時、人によって楽しみが違うように、春樹の小説を読む人によって、どうにでも取ってほしい感じなのでしょうか。そういうことなら、わけがわからないのは当たり前かもしれない。笑

村上春樹をなにかまた読んでみたいとは思っていますが、今度はそういう視点で読んでみようと思います。

05 th in October / 265 th in 2023