自治労の正体 / 森口朗

 本書は、地方公務員の最大労働組合である全日本自治団体労働組合(自治労、組合員約80万人)の実態を批判的に分析した内容になっています。

 自治労が地方行政に過度な影響力を及ぼし、公務員の優遇や政治的中立性の欠如を引き起こしていると主張。

 自治労は、首長(知事・市長など)と癒着し、選挙支援を通じて地方自治体を事実上「支配」している。これにより、ヤミ手当の維持、組合幹部の天下り、無制限の政治活動が横行し、地方財政の歪みや粉飾決算を生んでいる。

 公務員の給与・待遇が民間より優遇されている背景に自治労の圧力があり、人事委員会の勧告制度に抜け穴が存在する。一般行政職や技能労務職の給与が不当に高く保たれていると指摘。

 自治労内部に左翼過激派(革マル派、中核派、主体思想派など)が浸透しており、公務員として勤務しながら政治活動や反基地運動を行っている実態を暴露しています。

 沖縄の平和運動家を例に挙げ、過激派が公務員になれる仕組みを批判。自治労の力の源泉は組織票と政治活動にあり、多くの首長が自治労に便宜を図ることで当選を維持しているという。

 地方公務員の給与が民間より高い理由として、人事委員会勧告制度の抜け穴を主な具体例に挙げています。一般市町村の行政職:人事委員会が置かれていない多くの市町村では、国家公務員の人事院勧告を参考に給与を決めるが、民間比較の対象が大企業中心になりやすく、地域の中小企業の実態を反映しにくい。これにより、給与が不当に高く保たれていると指摘。

 技能労務職(清掃員、学校給食職員、用務員など)も、人事院勧告の対象外で、民間同業種との比較が不十分。結果として、民間より大幅に高い給与水準が維持され、自治労の影響力の源泉となっていると主張し、これを「不当に高い給与」と表現し、給与を民間準拠に抑える改革を提案しています。

 私も民間の会社を経営するものとして、公務員の給与水準は高いと感じている。ボーナス時期に発表される平均支給額などを聞くと、ボーナスを支給するものとして、そんな数字は発表してほしくないと、いつも他の社長たちとも話題になる。

 自治労という「地方公務員の最大労働組合」の存在について、あまり考えたことは、なかったが、これを機会にまた違う本でも読んで「自治労」について勉強したいと思います。