本書を読んだあと、著者の本をなにか読んだことがあるか調べたら、2024年の1月に「パパ活の社会学 援助交際、愛人契約と何が違う? 」、2022年の7月に「はじめての不倫学~社会問題として考える~」という2冊が読了済みでした。(笑)
もう結構前に読んだので、内容はあまり覚えていないので、著者の本を読む良いタイミングだったのかも知れません。(笑)
本書は40〜50代を中心とした中年男性が抱える「モテる/モテない」という呪縛、恋愛市場での格差、そしてそれに伴う孤独や生きづらさを、社会学的視点とリアルな証言から深く掘り下げた感じの一冊です。
著者は、性と福祉の現場で長年活動してきた経験から、「モテ」を個人の努力不足や性格の問題ではなく、近代化による社会構造の変化として分析しています。
本書の核心は、「モテ」という評価軸自体が近代の産物だという指摘。江戸時代や明治初期までは、結婚は家や共同体が仲介するもので、個人の魅力で選ばれる競争ではなかった。
しかし、恋愛が自由競争市場化し、約150年の歴史の中で「選ばれるかどうか」という個人責任の呪いが誕生した。これは就職市場の公募化に似ており、縁故から能力競争へ移行した結果、「落ちるのは自分のせい」と感じさせるようになったという。
現代の婚活市場では特に「年齢の壁」が厳しく、40代を超えるとマッチングが急減。それでも「モテたい」という欲求は中年になっても消えず、性的欲求不満や将来の孤独への不安を増幅させていく。
本書の大きな読みどころは、普通に働く中年男性5人への濃密なインタビューです。彼らの生々しい本音を通じて、多様な孤独の形が浮かび上がります。
バツイチのシングルファザーは離婚後の子育てと異性関係の難しさ、家族を持つ「標準」から外れた生きづらさを語り、孤独を楽しめる独身者は少年期からの孤独を乗り越えつつも訪れる寂しさや、社会の家族前提の制度とのミスマッチを明かします。
ギャンブル依存と性的欲求不満を抱える男性からは、欲求を満たせないフラストレーションが依存症へつながるケースが語られ、結婚相談所関連や離婚経験者からもさまざまな声が集められています。
共通するのは、「モテたい」ではなく「つながりたい」「孤独を解消したい」という根本欲求が、モテという歪んだフレームで表現されてしまう点。誰もが「男は弱音を吐かない」という社会規範で感情を言語化できず、孤立を深めていることが浮き彫りになる。
現代の恋愛格差と孤独の構造についても、未婚中年男性が多数化しつつあるのに、社会制度はまだ「家族ありき」で設計されており、性的孤立は単にセックスがないことではなく、自分の欲求を理解・言語化できない状態も含むと指摘。婚活は消耗戦であり、「年齢の壁」を努力だけで越えられない現実を突きつけます。
本書は「どうモテるか」というハウツー本ではなく、呪いからの解放を提案。鍵となるのは「同居力」、つまり恋愛・結婚に頼らず、誰かと穏やかに同じ空間や時間を共有する技術だと説いています。
「競争」ではなく「共存」。そして「人の話を聞く力」を生存スキルとして高めることが重要だと説いています。さらに、自分で選べない不自由なものに目を向け、選択のゲームから外れることで失敗責任の呪縛を軽減するよう勧めています。
前述したように、5人の男性の特異な人生から紐解き紹介されています。紹介される男性たちのエピソードはどれも強烈です。(笑) 彼らの体験がいろいろな人に参考になるかどうかわかりませんが、「自分とは違う」そう思えるだけで、少し安堵感を頂けることが出来ました。(笑)
自分はだんだんに60も見えてきたので「モテたい」という感じよりは、「年寄りにみられない」とか「身だしなみ」とか、そんな程度のことを気にする年代ですが、とりあえず結婚できて今も継続できているということについて良かった。それを妻に感謝を出来るそんな一冊でありました。(笑)
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