本書はお金の不安に悩む現代人に贈る、データと心理を融合させた新しい「お金の本」という感じです。著者はデータサイエンティストとして、収入が増えても「まだ足りない」と感じてしまう心理状態を「足りない病」と名付け、その正体を丁寧に解き明かしています。
本書の核心は、お金の不安が金額の問題ではなく、心の仕組みや認知のクセにある点だろうか。パーキンソンの法則(人間には「与えられた時間や資源を、あるだけすべて使い切ってしまう」心理的な傾向があることを示した法則)のように、収入が増えると支出も膨張し、満足感が得られない。
SNSでの他者比較や、老後資金の漠然とした不安が、私たちを常に「不足感」で縛っている。こうした生理的・心理的な反応を統計データで分析するアプローチを、本書では繰り広げていますが、非常に説得力があります。
特に印象的だったのは、「10の資本」の考え方だろうか。お金だけに頼るのは危険で、健康資本、人的資本、社会関係資本、時間資本など、多様な資本をバランスよく育てることで、真の経済的自立が実現すると説いています。
お金がなくなっても、他の資本があれば人生は崩れにくいという視点は、なかなか考えさせられるモノがありました。
私は金欲も物欲もあまりある方だとは思わないが、健康でいつまでもいろいろな人と、お酒を酌み交わせるような関係を築きたいと思っています。そのためには健康であり、相手との関係性も必要で、その時間が必要であり、お金は最後に必要なものなのではないか。そんなことを考えさせくれた一冊でありました。
健康が1番なら、毎日毎日のむんじゃねぇ〜よ!と、ツッコみたくなる人がいるかも知れませんが、そんな提案は却下させていただきます。(笑)
7月11冊目_2026年112冊目