母親からの小包はなぜこんなにダサいのか/原田ひ香

 原田ひ香さん、「三千円の使いかた」「月収」に続く、三冊目のアウトプットになります。

 本書は、家族の愛情を「小包」という日常的なモチーフで優しく描いた短編集です。タイトル通り、地方の実家から都会の子どもへ送られる荷物は、野菜やお米、下着、靴下、ご当地銘菓などでびっしり詰め込まれ、隙間を埋めるようにタオルや雑貨が入っている。

 受け取る側は「ダサい」「こっちでも買えるのに」と感じつつも、心のどこかで嬉しさや懐かしさを覚えてしまう。

 そんな普遍的な親子の情景が、6つの物語を通じて丁寧に描かれています。各話に登場する親子関係は多様です。

 進学で上京した娘と反対する母親、キャリアウーマンの母と家庭志向の娘のすれ違い、恋人に自分の出自を偽る女性、亡き父に毎年昆布を送っていた謎の女性、そして急逝した母から届いた最後の小包など、どのエピソードも心にとても心に染みる内容でございました。

 私も東京の専門学校時代に、母から小包を送られていた記憶があります。コメや味噌などの食い物を送られていたのは、なんとなく覚えているがそれ以外は、まったく思い出せない。

 本書で紹介されているような、下着、靴下、ご当地銘菓、隙間用のタオルなど入っていたかは定かではありませんが、良き青春時代を思い出せてくれる、そんな一冊でありました。(笑)

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