田舎はいやらしい 地域活性化は本当に必要か? / 花房尚作

 地方の過疎地に暮らす人々は、活性化など望んでいないのではないかと著者は説いています。地域活性化させず、衰退させるやり方もあるのではないか。そんな提案をしています。

 中央の政府だったり、都市から見れば、地域活性化は必要だというが、現地でそこに住んでいる人々の希望や主張をどれだけ汲み取れるのか。

 本を読んで手帳にメモを取ることがありますが、次のようなことが書かれていた。「現状維持という名の衰退」「能力の高い人を嫌う」「地域活性化は正しいのか」「都市に近い過疎地と遠い過疎地」「役所の給料が地域の平均年収を引き上げる」「生活保護の受給割合」

 私も「役所の給料が地域の平均年収を引き上げる」にはとても共感しました。(笑)

 若者、よそ者、馬鹿者が必要といいながら、そんな人は拒絶する。そんなことも書かれていた。

 全体を通して、著者の経験をもとに書いたものが多い印象ですが、全体的に辛口です。田舎に住むものとしては、耳が痛くなる感じというか、そこまでいうことはないだろう!、そんなツッコミを入れたくなるレベルでありました。(笑)

 過疎地域に国が金をかけることは、費用対効果も悪く非効率。そんなことはよくいわれる事実ですが、建設業を営む身としては、過疎地でも最低限のインフラを維持する必要性はあると思うので、なんとか生き残って行けるようどうぞよろしくお願いします。(笑)

 埼玉県八潮市の県道交差点で陥没した道路にトラックが転落した事故がありました。地下約10メートルに直径約5メートルの下水管が埋設されているそうです。この下水管は42年前に使用開始されたもので、県は下水管の耐用年数をおおむね50年としており、耐用年数間近だったそうです。

 人口が急増した昭和40~50年代に下水道が急速に普及し、耐用年数が近づいている。ただ、予算の問題などもあり、一気に取り換えるのは困難だという。

 もう一度書きますが、過疎地でも最低限のインフラを維持する必要性はあると思うので、なんとか生き残って行けるようどうぞよろしくお願いします。(笑)