著者の本は何冊か読んでいますが、読了済みのものは財務省や経済に関するものでしたが、本書は人口減少に特化した内容になっています。
過度な人口減少恐怖を否定し、経済学的な視点から「人口減少=国家衰退」ではないと主張。人口減少でも生産性向上や規制緩和で経済は成長可能であり、年金問題も運用次第で解決できると説いています。
「人口減少=経済悪化」の否定に関しては、 人口が減っても、1人当たりの生産性(労働生産性)を高めれば経済は成長・維持できるという。
人手不足は成長のチャンスと捉え、企業に省人化投資やAI・ロボット導入、業務効率化(イノベーション)を促し、経済成長をもたらす原動力になるという。
年金・社会保障のウソとして、 年金は人口動態(現役が高齢者を支える)だけで決まるものではなく、積立金の運用成果によって安定的に運用可能だという。
移民・少子化対策への視点として、 移民政策だけに頼るのではなく、国内の未活用労働力(高齢者・女性)の活用や、女性活躍推進を優先すべきだという。
人口減少のスピードは予測可能であり、過剰な危機感は必要なく、合理的な構造改革を進めることが重要であると説いています。
本書は、人口減少に伴う社会課題に対し、悲観論ではなく、経済の質を高めるための具体的な構造改革を提案しています。
「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること/ 河合雅司」に真正面から反論するというのが本書のタイトルのようですが、実際の内容は人口問題、移民、年金、雇用といったテーマを元に、世間に溢れる常識を覆すことを目的にした感じでしょうか。
世間では「人口減少=暗いこと・悪いこと」そんなふうに思われている感じですが、過度な人口増よりはよっぽど良いことではないか。そんなことを考えさせられました。
人口減少危機論を支持するのは、地方公共団体の関係者だと指摘しています。いる。人口減少で自治体が、合併を迫られ職員がポストや職場を失うからだという。公務員は倒産など失業への危機意識がほとんどないから、仕事を失う恐怖は民間企業より過度に敏感なのかもしれない。(笑)
人口が減るので、人を呼び込もう。子育て世代に厚い支援をしよう。そして賑わいを創出しよう。そんなことを人口減をいちばん把握している、そして恐れている人種が考える王道なのかもしれない。そんなことを考えさせてくれる本書でありました。