町田圭祐は中学時代、陸上部に所属し、駅伝で全国大会を目指していたが、3年生の最後の県大会、わずかの差で出場を逃してしまう。その後、陸上の強豪校、青海学院高校に入学した圭祐だったが、交通事故にあい陸上部に入ることを諦め、同じ中学出身の正也から誘われてなんとなく放送部に入部することに。
陸上への未練を感じつつも、正也や同級生の咲楽、先輩女子たちの熱意に触れながら、その面白さに目覚めていく。目標はラジオドラマ部門で全国高校放送コンテストに参加することだったが、制作の方向性を巡って部内で対立が勃発してしまう。果たして圭祐は、新たな「夢」を見つけられるか。
ぜんぜん湊かなえさんらしくない、青春学園小説です。ほかの作品にみられるような後味の悪い感じもありません。(笑)
イヤミスじゃない湊かなえさんも素敵です。高校生たちが本音をぶつけあい、議論を真剣に話し合う場面とか、とても青春青春って感じのやり取りとか、たくさん出てくるんですが、なんかとってもいい感じですね。きっと、ほかの作品のドロドロ感がすごいせいなのでしょう。(笑)
正也と圭祐と良太のその後について書いた「ドキュメント」という続編もあるらしいので、そちらもぜひ読んでみようと思います。