本当に日本の借金は大変なのか。著者は。国の借金はまったく問題ないと説いています。そもそも、国民の借金では無いという。私もたくさん本を読んでいるので理解していますが、あなたは国に金を貸したことがありますか? 私は無いし、貸したことがある人に会ったこともない。
まず「国の借金」という言葉自体が、そもそも強力な洗脳だという。経済や財政に関する言葉は、どれも難しい専門用語ばかり。「 消費者物価指数」とか「日銀当座預金」とか「プライマリーバランス」など、ごく一般的に使われる言葉でないのに、「政府債務」の「普通国債残高」だけは、「国の借金」というやたら親しみのあるわかりやすい言葉で表現する。
「森永卓郎/ザイム真理教」の言葉を借りれば、完全に「財務真理教」の布教活動によるものと考えるべきだろう。笑
財務省が日本の債務がひどい状況になっていると説明するとき、必ず用いるのは「対GDP比」です。アメリカ、ドイツ、フランス、英国、イタリア、カナダを含む主要先進7カ国の中で、GDP費に対し抱える債務残高は、最低のドイツで67%に比べて、日本は258%もあると恐怖を洗脳しています。これは財務省のホームページで探せばすぐ出てきます。
では失われた20年と言われる「2001年を100とした指数」で、政府債務の残高(総額)を比べると2021年で、アメリカは500(5倍)を超え、イギリスは600(6倍)を超える。それに比べて日本は200(2倍)すら超えていない。主要先進7カ国の中で最も低い。
いかに「国の借金が大変だ」というのが、つくられた印象操作であり、財務真理教の洗脳なのか。その証拠に、この手のグラフは財務省にはもちろん、ググってもなかなか出てきません。笑
日本は世界で唯一、30年余りに渡り経済が成長していない国だという。 その原因こそ「国の借金が大変」という前提に基づく緊縮財政にあると著者はいう。「政府債務が増え続けるのは国家運営の基本」であるのに、日本はそれをわざわざ騒ぎ立て、国民の不安を煽り続けてきた。その代表的キーワードが「国民一人当たり」という言葉。
あたかも国民が借金を負担している。わざわざ不安を煽る言い方をする。「ザイム真理教の教え」恐るべしです!!
国の借金は将来世代へのツケではなく、将来世代への投資であり資産だと著者はいう。万有引力の法則、地動説、進化論、相対性理論など、新たな発見というものは、これまでの常識を根本から覆したので、「現代貨幣理論」により国家の財政に関してもちゃんとした方向づけできれば、この国はまだまだ復活できる可能性があると著者はいう。
安い国になった日本。それはなぜか。他の主要先進国のように30年適正なインフレにを維持できていれば、GDPも増えているので「対GDP比」は他国の水準を問題なくクリアーするのは容易に推測ができる。財務省のまやかしも通用しない。笑
本書で初めて知ったことがある。国債を償還(満期に支払)するのは日本だけだという。国債を償還するのは、新たな国債を発行する行為でしかなく、そのようなことは当たり前であり、わずらわしいだけなので償還という行為は外国には無いという。
MMT関連の本を最近続けて読みましたが、だいぶ理解が増したような気がします。前に読んだ三橋貴明氏や高橋洋一氏、廣宮孝信氏など。関連本をいくつか読みましたが、また読めば新たな発見があるかもしれない。そんな読書の連鎖をとても感じさせてくれる本書でありました。
This is the 03th book in February and the 28th in 2024.