銀行預金の利子は安いが、国債の金利も安い。現在、個人向け変動10年物で0.5%位です。そもそも財政破綻すると騒いでいるのに、日本の国債はなぜこんなに安いのか。買ってくれる人がいなければ、金利を上げなければ駄目なのに、こんなに安い値段でもたくさんの人が買ってくれる。つまり人気がある。
国債を国が発行して、金融機関が購入するものの、日銀が買い取る。国は日銀に金利と元本を支払うが、これは国庫納付金となりまた日銀から国に戻っていき相殺される。国債は金融市場の「コメ」のようなものであり、国の経済を回すために欠かせないものだという。
国債は金融市場では通貨の様に利用されている側面もあり、国債と株、国債と社債という取引が可能で、国債はすぐに他の商品と交換できる使い勝手の良い金融商品だという。株と社債で交換したくても、そんな株や社債はいらないと言われれば交換することは出来ない。その原理原則がわかると「コメ」という表現が妙に納得する。
国債について書かれている様々な本を読みましたが、本書はとてもわかり易く、詳しく、マクロな市場との対比により今まで得た知識を、より深めることが出来た印象です。
どんな本にも書いてありますが、本書にも書かれていた「財務省」。とにかく増税したい奴ら。増税したいから財政難を国民に洗脳する。増税するときには必ず例外措置がある。お前に贔屓してやったのだから天下りさせろ。まさに「ザイム真理教おそるべし!」です。
本書に、政府から銀行が国債を買う際に行われる入札について記述されていた。私も公共事業の入札に参加するものとして、入札の際に繰り広げられる、政府と金融機関の入札の駆け引きは、なかなか興味深いものでありました。
そして思ったことがある。なぜ「買いオペ」「売りオペ」なんてわかりにくい言葉をつかうのだろう。昔は「公定歩合」で金利をコントロールすると学校で習ったが、現在は死語です。「日銀が市場から国債を買いました」「金融機関が日銀から国債を買いました」そんな風にいえば、もっと国債を身近に感じることが出来るのに。そして、国債を日銀が買うというアクションがどんな行為なのか。その様に考える人が多くなれば「ザイム真理教」を脱退する人も増えるのに。
あなたは「ザイム真理教」を信じますか? 信者になりたくなかったら、本書を読むことを推奨して筆を置こうと思います。笑
This is the 10th book in February and the 35th in 2024.