今さら聞けない! 政治のキホンが2時間で全部頭に入る / 馬屋原吉博


 中学生のときに習ったであろう「政治の基本」について、日頃ニュースなどをみて理解しているつもりでも、いまいち理解していなかった。そんなことを改めて勉強する機会を手頃に与えてくれる本書でありました。

「政治のキホン」から始まり、憲法、国会、内閣、選挙、裁判所、地方自治、社会保障のキホンについて、とてもわかりやすく解説しています。

 最近、田中角栄の本を読みましたが気になっていた「議員立法」について触れていました。田原総一朗のインタビュー記事にこんなことが書いてあった。

 議員時代、実に33本もの議員立法を成立させているんだ。これは前代未聞で、史上最多なんです。おそらくこれからも、これを超える人は出てこないと思います。

 以前、竹下登さんが首相時代、彼へのインタビューの中で田中角栄について尋ねると「角さんのすごいところは法律をやたらに勉強していて、詳しいところです」という言葉が返ってきた。そして法律を使いこなして、日本列島をどんどん変えていった。

 僕は、田中がロッキード事件で失脚してから6年後の1980年にインタビューした時に「あなたはどうして法律を使いこなせたのか」と聞いた。すると「法律というのは、生き物だ。使い方によって変幻自在。活用するには生まれた背景やこめられた意味を熟知していなければいけない」といった内容の話をしてくれた。

 当時の法律は戦後に占領軍、GHQによって作らされたものが多く、どちらかというと日本を非武装にして、弱体化。生かさず殺さずで存続させていくつもりだった。ところが、共産圏、いわゆる東側が台頭しないようにと、アメリカが政策転換した。西側陣営の結びつきの強化だ。

 そうなると国力を上げるためには経済的発展を遂げなくてはいけない。それに合わせて、田中角栄は法律を作り替えたり、新たに立法したりして、日本を強化して発展させていく軌道に乗せたと言えるんです。

 話は全然それましたが、本を読むことによって一つのことでも、興味を持って「印象的になるワード」が出来るということは、その本を十分読んだ甲斐があると思っています。笑

 本書であらためて認識できたことは、こんな感じでしょうか。「政治」とは、ルールを作るという「国会」があり、ルールを世の中に当てはめようとする「内閣」があり、そのルールを監視する「司法」が存在する。

 三権分立という、教科書では知りえた知識が、日々のニュースでは自らが報道する事柄で、国民を洗脳しようとしている。そんなマスゴミの低落加減をとても考えさせてくれる本書でありました。笑

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