社長、その給与は払い過ぎ! / 堀内智彦


 本の題名は「給料の払い過ぎ」とありますが、社員の給与を適正化するための、さまざまな手法が紹介されています。個別の同意などを必要としない安心して取り組めるものから、できれば使いたくない、最後の手段である人を減らす方法まで、幅広くまとめられています。

 社員の給与を下げるということは、下げて、据え置きではなく現状の働きに見合った額に修正すること。その際にはどのような働きをすれば、給与が上がっていくかを説明することがとても重要だという。

 社長にとって、社員の「給与を減らす」ことは、たとえ、それができの悪い社員や、会社に損失を与えた社員であっても気が重い。

「モチベーションが下がるんじゃないか」

「周囲の意欲も低下するんじゃないか」

「あれこれ言ってくるんじゃないか」

「トラブルになるんじゃないか」

 それらに加え、法律などのルールに則って行う煩雑さもある。そのため、給与を払い過ぎていることがわかっているのに、多くの社長さんは、なかなか動こうとしない。しかし、やるべき時は、給与を下げなくても、なんとかなっている今だという。笑

 私は給料の額を設定し支給している立場の人間なので、本書に書いてあることは十分理解できるし、同意できる部分もあれば、反論したくなる箇所もありましたがとても勉強になる内容でありました。

 社長の給料は時給換算すると安いということが書いてありました。笑 社員は就業時間が終われば仕事から離れることができる。しかし社長は違う。仕事が終わっても資金繰りを考えたり、次の仕事を確保しなければならないと心配したり、仕事相手と酒を飲んだり、家でご飯を食っているときも仕事のことが頭から離れることは無い。挙句の果てには仕事が夢に出てきたりする。1日24時間365日、年間8,760時間稼働しているようなものだ。

 むかしサラリーマン時代、大先輩にこう言われた時がありました。「人の給料の額を設定し、それを払い続けることは、本当に大変なことだよ!」その言葉は社長になって身に染みて感じています。笑 今度の給料は工面できましたが、その次の給料に向けて1日24時間、ない頭を絞ろうと思います。笑

17 th in November / 303 th in 2023