深瀬和久は平凡なサラリーマン。唯一の趣味は、美味しいコーヒーを淹れること。そんな深瀬が自宅以外でリラックスできる場所といえば、自宅近所にあるクローバーコーヒーだった。
ある日、深瀬はそこで、越智美穂子という女性と出会う。その後何度か店で会ううちに、付き合うようになる。淡々とした日々が急に華やぎはじめ、未来のことも考え始めた矢先、美穂子にある告発文が届く。
そこには「深瀬和久は人殺しだ」と書かれていた。何のことかと詰め寄る美穂子。深瀬には、人には隠していたある”闇”があった。それをついに明かさねばならない時が来てしまったのかと、懊悩する。
湊かなえさんにありがちな、時系列を行ったり来たりする、過去の出来事を回想していくミステリーです。死んだ広沢のことをよく知らなかった感じだが、最後の最後で本当に知らなかったことが分かってしまう。
そして自分が起因している事実を知る。最後にこう来るか。お見事でございました。そして後味とても悪いです。さすが「イラミスの女王」といった感じの作品でございました。(笑)