死んでも死ねない葬儀屋裏事情/赤木太陽

 昨日、とある宴席に参加しましたが、昼は葬儀に参加した話から、本書を読んだことを話しました。

 都会では、お寺も宗派も決まっていない人が沢山いんがすか。葬儀屋に紹介された和尚に、やってもらうらしいんだぁ〜げど、その和尚はどこのお寺にも属していない「マンションボウズ」というのがいて、そいつ等に頼んで、お布施からのバックマージンをとるんだぁ〜ずぅが。

 その「マンションボウズ」ずうのは、いろんな宗派のお経が喋れるとか、お布施のキックバックはこれくらい返すとか、いろんな葬儀屋に営業すんだぁ〜ずぅ〜。

 葬儀屋は遺体を確保すんのが仕事だぁ〜がすか。そのため、医者や看護婦に賄賂を送ったり、警察に接待を繰り返したり、病院や警察に媚をうんだぁ〜ずぅ〜がえ。

 そして、葬儀屋には格言があんだぁ〜ずぅ〜。「葬儀の値段は家を見てから決めろ」病院から家まで遺体をもってって、家のあんべぇ〜で、値段を決めんだぁ〜ずぅ。それくらい値段の決めがだが、テキトウなんだぁ〜ずぅ〜がえ。

 私がしゃべってるのを聞いて、対面の何人かは食いついてくれましたが、私のとなりにいた、冠婚葬祭に関連する業種の社長さんは、深くうなづくだけでありました。笑 私が知らないだけで、そんな風習は少なからず存在することを、確信させてくれる宴席でありました。笑

 葬儀屋には、監督官庁も資格も存在しないため、やりたい放題だという。病院から紹介されても、葬儀屋を信じるなと著者はいっています。

 本書では葬儀屋の繰り広げる、警察や病院への接待や賄賂の話が詳細に綴られています。その中で一番印象的だったのは、看護婦に対しての待遇です。病院の理事長とか医師ならわかる気がしますが、なぜ看護婦なのか。

 最後に「患者さんのご家族が、この葬儀屋さんでお願いしますと言っています。」という、最後に患者を仕向けることが出来るからだという。更に、患者の裕福そうな具合、死にそうなタイミングなど、そんな貴重な情報源になるらしい。で、

 葬儀屋は看護婦に対し、訪問時の手土産から始まり、病院周辺の飲食店を葬儀屋のツケで飲み食い出来るようにしたり、おつぼね様のシモの世話までするという。遺体確保に関する営業活動もここまで来ると執念めいて怖くなってきます。笑

 本の帯に「死ぬ前に読め!」と書いてありました。葬儀屋にぼったくれないためにも、私は死ぬ前に読めて良かったです。明日明日、自分が死にそうな人、まわりに死にそうな人がいる人には、一読をおすすめいたします。笑

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