本書は2009年のベストセラー「貧乏はお金持ち」の内容を現代の税制・社会保障の変化に合わせてアップデートした一冊らしい。
本書では前著同様、「今の日本では会社に雇われ続けるサラリーマンが最も搾取されやすい立場」にあるという現実を突きつけ、そこから合法的に脱出・逆転するための具体策を提示している感じでしょうか。
現代の日本では、手取りが減り続け、社会保険料は際限なく上がり、インフレが進み、正社員という「安定」の幻想が崩壊しつつある。
税金・年金・社会保険の仕組みがサラリーマンを不利にするよう設計されており、努力しても報われにくい「格差の罠」にハマっているのが現状。
国家や大企業に依存する生き方は、もはや「貧乏への道」だと著者は断言します。そこで提案されるのが、前著同様「マイクロ法人(一人会社・小規模法人)」を活用した「雇われない生き方」。
個人と法人の「二つの人格」を使い分けることで「税金・社会保険料の最適化」「信用力の向上」「働き方の自由設計」など、圧倒的なメリットを得られるという。
先日読んだ「勉強脳/樺沢紫苑」でも書かれていたが、世の中には「勉強する人」と「勉強しない人」の2種類しかいない。本書の著者の主張を勉強して理解できれば、独立しようと思う人もいるのかもしれない。うちの会社にも独立を望むものが出てくるかもしれない。
そんな人が登場したら、是非、こう教示しようと思う。
「橘玲の本を、あと10冊は読んでから、この本を信じるがいい!」それくらい著者は常人離れした、すごい人なのだということを、理解して本書を鵜呑みにしてほしい。(笑)
こんな記述がありました。
オーナー経営の地方の建設会社。ある二代目社長の話を聞く機会を得た。彼は従業員の福利厚生のためにサラリーマン法人化の導入を試みていた。希望する社員は雇用契約から業務委託契約に変更できるが、仕事内容も含めそれ以外の条件はこれまでと変わらず、法人化のメリットだけを享受できるという有利な提案だったが、なんど説明しても一人の応募者もなかったという。サラリーマンが独立を躊躇する最大の理由は、雇用の安定が失われるのを恐れるからだ。
社長の気持ちもわかるし社員の気持ちもわかる。(笑) 法人になれば、税引き前に使えるお金はあるが、サラリーマンが税引前に使えるお金はほぼない。その代償は面倒くさくて不安定。(笑)
「マイクロ法人」という聞き慣れない言葉。サザエさんの磯野家がもしマイクロ法人になったら。そんな想定も非常にわかりやすく書かれています。法人。個人。お金。税金。経費。サラリー。多方面から色々考えさせてくれる1冊でありました。