本書を見かけたとき、前に読んだ「婚活中毒」というやつを思い出しましたが、調べたら同じ作者だったこともあったので、すかさず手に取りました。次は何を読もうかと探している最中で、前に読んだ作品を思い出すということが、たまにあります。この読書の連鎖的な感じは、とても有効だと私は思っています。(笑)
「婚活中毒」の中で、息子の婚活をする父さんが、婚活相手のお母さんに惚れてしまうという、そんなエピソードを思い出させていただきました。ご興味がある方は「婚活中毒」を御覧ください。(笑)
本書は「終活」をテーマにしたミステリー短編集で、4つの連作短編からなっています。それぞれの物語で、人生の終わりを迎えようとする人々やその周囲の人々が、予想外の展開を迎える様子が描かれています。
「SDGsな終活」では、余命わずかと宣告された資産家の妻が、残された時間をSDGs活動に捧げる姿が描かれます。一日も早く妻の死を望む若い夫は遺産を狙っていますが、妻の行動に思わぬ誤算が生じ、ゾッとする結末が待っています。
「最後の終活」では、妻の三回忌を控えた60代の男性が、疎遠だった息子と再会し、家のリフォームや片付けを進めます。理想的な親子関係が築かれるかに見えますが、意外などんでん返しが起こります。
「小説家の終活」では、人気ベストセラー作家の急死後、その遺品をめぐるエピソードが展開されます。後輩作家の女性が遺品に心を乱される理由が明らかになり、小説家らしい粋なサプライズが隠されています。
「お笑いの死神」では、売れない40代のお笑い芸人が余命宣告を受け、最後の挑戦としてお笑いグランプリに挑みます。人生を賭けた情熱と、死神をモチーフにしたユーモアが交錯し、感涙のフィナーレを迎えます。
全体を通じて、終活の多様な形を垣間見る感じでしょうか。恐怖、理想、葛藤、情熱などそんな様子が描かれ、読む者に驚きと感動を与えてくれるといった感じでしょうか。
著者の作品は本書で2冊目ですが、他にもたくさんありそうなので、違うものも物色してみようと思います。