「意識高い系」ではなく「意識高い人」のススメ/白明

 著者自身が40代の大企業サラリーマンとして、かつての「意識高い系」的な表層的な姿勢から脱却し、本物の「意識高い人」へと変わった自らの体験を基に書かれた一冊といったかんじです。

 本書はまず、「意識高い系」と「意識高い人」の違いを明確に区別します。「意識高い系」とは、SNSで格好つけた発言をしたり、自己啓発本を並べて写真を撮ったりするだけで満足し、実際の行動や成果が伴わない「見せかけ」の状態を指すのに対し、「意識高い人」とは、地道でストイックな習慣を積み重ね、日常の生産性や生活の質を本当に高めている人を意味する。

 著者は、就職氷河期を乗り越え、三流大学卒ながら大企業に就職した自分の過去を振り返り、家族関係が悪化し、最悪の父親だった時期から、あるきっかけで生活・お金・家族を見直したことで劇的に変化した過程を赤裸々に語ります。

 8つの「ススメ」を推奨しています。「筋トレ」「お金の監視員」「料理人」「朝活・読書」「サウナ」「学び続ける」「それ本当?」「誠意・努力」「感謝」。

 特に気になったのは「お金の監視員のススメ」だろうか。「あなたの口座の今朝の金額はいくらですか?」「あなたの今日の貯蓄はいくらありますか?」 「あなたは、積み立て貯蓄等を行っていますか?あれば、いくら溜まっていて、目的は何ですか?」「あなたの生命保険等はいくらあり、総収入の何%に当たりますか?」「今日一日で、食事も含めいくら使用する予定ですか?」「あなたの住宅ローン残額はあといくらで、後何年何カ月で完済の予定ですか?」「あなたの一カ月の支出は総額でいくらですか?」

 自分はいくつ答えることが出来るのか。私はすべて妻に任せているので、正直に言えば、一つも明確に回答できないという現実がある。

 お金が欲しいとか、お金が好きと思っても、自分のおかれる現在の状況は、案外把握出来ていない。とても耳が痛く、自分に警笛を鳴らされている印象さえ受けた。(笑)

 本書は様々な「ススメ」というフェーズで「学び」「計画」「実行」「疑い」など、俗に言われるPCDA を推奨しています。

 「お金の監視員」という方法を本書で知った(学び)。お金の監視を始めることを決めた(計画)。お金の監視を実際に始めた(実行)。お金を監視することで、お金の使い方を変えようと思った(疑い)。収入と支出のあり方を見直した(見直し)。お金の使い方が分かり、お金が増えていることを体感する(感謝)。

  「お金」は、気にかけてあげればあげるほど、入ってきて来る。「お金」は、本当は「さみしがり屋」なので、受け入れる環境を整えてあげれば良いと、どんな本にも書いています。 そんな「お金の監視員」の生活も「意識高い人」の生活の一部。もっと金が欲しいなら、もっとお金が大好きになり、もっと稼ぎたいならどうすれば良いのか。とても刺激をくれた本書でありました。