舞台は2003年の東京。女子高生2人が同様の手口で殺害される事件が発生していた。2件とも被害者の喉にハサミが深く刺されていたことから、マスコミは犯人を「ハサミ男」と命名。ハサミ男は連続猟奇殺人犯として世間の耳目を集めていた。
一方、ハサミ男は3人目の犠牲者を選び出し、入念な調査を行っていた。しかしその調査の中で、自分の手口をそっくり真似て殺害された犠牲者の死体を見つけることとなる。先を越されてしまったハサミ男は、誰が殺害したのか、なぜ殺害したのかを知るため調査を開始する。
ハサミ男は、警察庁の記録では「広域連続殺人犯エ十二号」だが、ハサミを凶器に使うことからマスコミに「ハサミ男」と命名される。自殺志願者で毎週のように様々な自殺方法を試みるが、いつも失敗に終わる。
ハサミ男視点の文章と警察視点からの文章、異なる視点で進む物語です。様々なレビューでも語られていますが、これほど映像化が難しい作品はないだろうと思う。それくらい私も冒頭から騙されてしまった。文字で表現される、的確さと、それに付随する曖昧さの関係性など、とても考えさせてくれる内容でありました。
トリックを書くと読んでいない人は、全然おもしろく無いと思うので書きませんが、本書を勧めてくれた読書友に感謝しようと思います。