1冊でまるわかり50歳からの新NISA活用法 / 中野晴啓

 利率の低い銀行預金だけでは、資産はなかなか増えない。インフレも続き、老後のお金に不安を感じる人はますます増えているだろう。

 そこで、資産運用だ。毎月5万円ずつ、20年間、積立投資をすれば、年平均5%の利回りで運用できた場合、2055万円以上になる(元本1200万円+運用収益855.2万円)。

 50歳から貯蓄0で始めても、70歳にはこれだけの資産が築ける計算なのだ。人生100年時代、定年後も働く人が増えている今、現実的な老後対策と言えるだろう。

 軽く毎月5万と書いていますが、毎月5万を貯蓄に回せる人はどれくらいいるのだろうか。(笑)

 通常、株式や投資信託で資産運用をして得た利益には20.315%の税金がかかるが、NISA制度を利用すると、これがゼロになる。しかも、これまでのNISA制度には、制度自体にも運用期間にも期限があったが、2024年1月から始まる新NISAでは期限がなくなる。税金ゼロで運用できる投資額も1人1800万円(簿価)へと大幅にアップ。新NISAをフル活用すれば、「老後2000万円問題」も怖くないのだ。

 私はもちろんNISAも新NISAもiDeCoも理解しています。本書は新NISAの活用法と書いてありますが、活用法というより投資に関する指南書です。

 基本中の基本である、余裕資金で長期運用そして分散投資はもちろんですが、著者は投資信託「なかのアセットマネジメント」の社長ということもあり、投資信託の仕組みについて結構書いてあったので、少し深く知ることが出来ました。

 私も投資信託は少し持っていますが、よく売り上げランキングにあがる、「eMAXIS S1 im全世界株式(オール・カントリー)」と「eMAxIs sIim米国株式 (S&P500)」も持っています。

 調べてみたらここ3年で、この2銘柄で7兆円も売れているようです。そりゃ〜円安になるわな。そんなことを考えさせられました。

 貯蓄から投資へと岸田元首相は国民に喚起したけれど、それが円安の要因になっていることは少し頭に入れておこうと思います。