死はこわくない / 立花隆

 「知の巨人」といわれる立花隆氏が「死」に対し語ったインタビューや、講演の内容などが紹介されています。

 自分のまわりで「死」に触れたエピソードを踏まえ、誰もが死について考え、恐怖を持つということがいろいろと語られています。

 私も子どもの頃から「死」を考えると寝れなくなったのを覚えている。現在は酒をのんですぐ寝るので、考えることはないが、それこそ夢の中で「死」に遭遇しそうになると、たいてい目が覚める。

 自殺、安楽死、脳死、臨死体験。長きにわたり、生命の不思議をテーマとしてきた「知の巨人」が、喜寿を迎えて辿り着いた結論とは。

 第一部では臨死体験と死後の世界、死の受け止め方。第二部では看護学生への講義録で、死の瞬間に立会う者の心構え、死を前にした人々に対する医療現場の事例など。第三部では脳の意識と、本当の死との関連など。さまざまと語られています。

 私はまだ「死」は怖いし死にたくない。しかし、病気になって生きているだけで寝たきりになるようで、そんな状態で生きていたくはないし、昨日のことも思い出せないほど、ボケた状態では生きていたくはないと思っている。

 ソクラテスの「無知の知」というのがある。「死」について知らないから怖いだけで、「死」ついて、もっと知ることができれば。「死」は怖くなくなるのかもしれない。死んだ人の言葉はもちろん聞くことは出来ないが、50代も後半になったので、もう少し「死」について勉強しようと思います。

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