こうすれば絶対よくなる!日本経済」/ 田原総一朗,藤井聡


 安倍内閣の元内閣官房参与で、MMT(現代貨幣理論)を提唱する京都大学大学院教授の藤井聡さんと、田原総一朗さんの対談本です。

 最近、MMT関連の本を何冊か読んでいますが、著者が理論をただただ語る本に比べ、対談形式の本であり、聞き手の田原総一朗さんの顔が浮かぶ分、これはこれで頭に入って来る印象です。笑

 プライマリーバランスが絶対というデマ。国家の借金と家庭の借金は違う。消費税の増税が如何に愚かなことか。「財源がない」とばかりいう幻想。

 「国の借金」が1200兆円以上の巨額になり、このままいけば、10年先には、日本は間違いなく財政破綻してしまう。そんな報道はたくさんある。

 しかし、そんな報道は10年前もたくさんあった。代表的なのは、国債がGDPを超えると破綻する。そんな報道が昔あったが、GDPをはるか超える国債額になっても、実際はナニも怒らない。国内がインフレとかデフレとか言う前に、日本だけ取り残されて、国際的にみれば「安い国」になってしまった事実はある。

 藤井聡さんは6年間、内閣官房参与を務め、ようするに安倍晋三・前首相のアドバイザーを務め、「国土強靭化」をいい出したのも、藤井聡さんだという。借金まみれの日本でも、MMT(現代貨幣理論)に基づけば問題ないと説き続けた。

 インフレ2%の目標は達成出来なかったけれど、こんな論客が安倍総理の側近にいたという、そんなエピソードを知れただけでもとても有意義な本書でありました。

 藤井聡さんの本は沢山あるようです。なにか違うものも読んで、もっとMMT論者になれるよう、見識を深めようと思います。

This is the 06th book in February and the 31th in 2024.